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増大号特集 整形外科 外来・当直 エマージェンシーマニュアル 疾患編
股関節の症状を訴える患者のみかた
著者: 本間康弘12 佐野圭12 白銀優一12
所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂医院整形外科 2順天堂大学 革新的医療技術開発研究センター
ページ範囲:P.680 - P.685
文献購入ページに移動一般的な問診と同様に,股関節においても「2階建て」構造で体系的問診を行うことが重要になる.まず,「1階」に該当する一般的な問診を必ず行い,次に「2階」に相当する専門的で具体的な問診を行う.専門性が高まる時期もしくは診療に慣れ始める時期には,「1階」をスキップして「2階」に進んでしまうことがしばしば見受けられるが,誤診への近道であるので要注意である.また,適切な問診は診断精度向上の目的のみならず,良好な医師・患者関係を構築する最初のステップとしても非常に重要な意味合いを持つ.
「1階」として問診すべき事項を図1に示す.愁訴が痛みであるとは限らず,可動域制限やジンジン・ビリビリのような神経疾患を疑う愁訴のこともある.そしてその愁訴が急に生じたのか慢性的に経過しているのか,明らかな外傷の有無などを確認する.さらには,痛みの具体的な場所,安静時痛か可動時痛か,内科的疾患の有無も重要な情報になる.
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