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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科56巻7号

2021年07月発行

文献概要

特集 手外科と労災

労災保険の対象—上肢の外傷と障害

著者: 酒井昭典1 善家雄吉2 山中芳亮1 田島貴文1 辻村良賢1 濱田大志2

所属機関: 1産業医科大学整形外科学講座 2産業医科大学救急医学講座

ページ範囲:P.851 - P.856

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 労働者災害補償保険(以下,労災保険)を取り扱う上で,上肢外傷については,受傷原因は明確な場合が多いが,治癒(症状固定)の判断や後遺障害診断で難渋することがある.一方,上肢障害の労災認定については,作業環境に有害な危険因子があり,発症の経過と病態が医学的に妥当であることが求められ,難渋することが多い.また,近年,労働者の高齢化に伴い,運動器の変性疾患を背景にした被災者が多いことから,業務に起因する障害であるか否かについて特に慎重な判断が求められる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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