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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科56巻7号

2021年07月発行

文献概要

特集 手外科と労災

労災の末梢神経障害—上肢の外傷性末梢神経損傷

著者: 信田進吾1 奥野洋史1 八田卓久1 佐藤諒1

所属機関: 1東北労災病院整形外科

ページ範囲:P.879 - P.885

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 労働災害による上肢の末梢神経損傷33例の治療経過を検討した.男性26例,女性7例,年齢は平均44歳(17〜79歳)である.神経は腕神経叢3例,正中7例,橈骨9例,尺骨5例,橈骨・尺骨1例,指8例であり,手術手技は神経剥離術16例,神経縫合術12例,神経移植術4例,交差縫合術1例であった.術後平均13カ月の経過で,完治11例,改善20例,不変2例であり,神経剥離術例および手での損傷例に完治が多かった.改善20例中7例にカウザルギー様疼痛を残した.運動機能の回復は客観的に評価できるが,知覚は2点識別覚が回復しても痛みの客観的な評価が困難であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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