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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科56巻7号

2021年07月発行

文献概要

症例報告

部分骨欠損を伴った脛骨開放骨折に対して肩甲骨付き遊離広背筋皮弁を用いて再建した1例

著者: 菅沼省吾1 多田薫2 松田匡司2 高川真伍1

所属機関: 1石川県立中央病院整形外科 2金沢大学附属病院整形外科

ページ範囲:P.957 - P.960

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緒言:われわれは,肩甲骨付き遊離広背筋皮弁を用いて再建した脛骨開放骨折の1例を報告する.

症例:49歳,男性.部分骨欠損および軟部組織欠損を伴った右脛骨開放骨折(Gustilo type ⅢB)に対し,受傷後12日目に内固定および遊離広背筋皮弁術を行った.この際,胸背動脈の角枝を利用して同時に挙上した肩甲骨を脛骨骨欠損部にはめ込んだ.受傷後22カ月の現在,疼痛なく独歩が可能である.

考察:骨・軟部組織欠損を同時に再建できる本術式は,重度四肢外傷における治療の選択肢となり得る.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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