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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科56巻8号

2021年08月発行

雑誌目次

特集 外来で役立つ 足部・足関節の超音波診療

緒言 フリーアクセス

著者: 高倉義幸

ページ範囲:P.976 - P.976

 近年,高解像度・高画質の超音波診断装置が改良され,整形外科医が超音波診断装置を使用し運動器疾患に対する診療を行うことが普及しつつある.さらに,開発・製造する各社の努力により,装置の高解像度化や小型化がなされ,ポータビリティーがよくなり,スポーツの現場や術中の画像診断にまでその診療活動範囲が拡がり,ますます運動器すなわち整形外科学領域の超音波診療が盛んに行われるようになってきている.ここ2年ほどの間に,高解像度で高画質を維持したまま,さらに軽量化されてワイヤレス化されたものが従来より安価に入手できるようになり,1人の整形外科医が1台の超小型ワイヤレス超音波診断装置をポケットに入れて診療に従事する時代が到来するのではないかと考えている.

 内科医の聴診器のごとく超音波診断装置を使用することで整形外科の外来診療時に診察室のその場で容易に,スピーディーに,かつ低侵襲で繰り返しの検査が可能となり,得られる情報も豊富で多岐にわたる.それにより,整形外科医の外来診療も変化しつつあり,超音波検査から得られる情報をもとに,治療方針の決定や治療経過および治療成績の評価ができるようになってきている.また,日々の多忙な診療の中で行う超音波検査は,リアルタイムに患者と検査結果を共有でき,患者とのコミュニケーションを円滑にし,信頼関係の構築に寄与しており,外来におけるさらなる有用性が実証されつつある.

足部・足関節の外来超音波診療の基礎

著者: 松井智裕

ページ範囲:P.977 - P.985

 運動器超音波診療の普及に伴い,機種やプローブの選択肢が増え,さまざまな機能も充実してきているため,超音波診療を導入する際には,それぞれの診療スタイルに合った機種や機能をカスタマイズしていく必要がある.本稿では,足部・足関節の外来超音波診療を前提として,超音波機器を選定する際に必要な基礎知識について述べ,さらに超音波診療に必要な基礎知識をその特徴と注意点を交えて解説する.また,足部・足関節に対して超音波を用いる有用性や有用な疾患について概説するとともに,足底腱膜症を例に外来超音波診療における運用のコツについて詳述する.

足関節外側靱帯損傷・断裂の外来超音波診療

著者: 目黒智子 ,   天羽健太郎

ページ範囲:P.987 - P.993

 足関節捻挫(ankle sprain)での足関節外側靱帯損傷(lateral ankle ligament injury)において今や必須となった超音波診療(ultrasound examination)について解説する.前距腓靱帯(anterior talofibular ligament:ATFL)は腓骨遠位前端に起始し,距骨の外側に停止する.踵腓靱帯(calcaneofibular ligament:CFL)は腓骨の前距腓靱帯付着部の下方に起始し,踵骨外側に停止する.また足関節肢位による各靱帯の走行変化に注意する.まず身体所見をしっかりとることが最も重要で,圧痛点から損傷した組織を推定する.ATFL損傷ではドプラ,ストレスなどを行い総合的に判断する.CFL損傷では正確な描出が難しく,足関節最大背屈位でCFLが緊張することを利用するストレステストで機能評価を行う.

足関節三角靱帯損傷の外来超音波診療—足関節捻挫における内側部痛の評価と治療

著者: 面谷透

ページ範囲:P.995 - P.1006

 三角靱帯(deltoid ligament)は足関節内側靱帯群の総称であり,複数の構成成分が含まれている.前後に幅の広い三角靱帯に対し,靱帯成分の形態を超音波で評価するために,前方から後方にかけて4領域に分けて超音波検査(ultrasonography)で描出する方法が有用である.その詳細な描出方法と,実際の損傷例における画像所見を示す.また,三角靱帯の解剖学的報告における問題点を踏まえた上で,三角靱帯の超音波評価が抱える課題に関しても述べる.

腓骨筋腱の外来超音波診療

著者: 西村明展 ,   中空繁登 ,   千賀佳幸 ,   須藤啓広

ページ範囲:P.1007 - P.1011

 腓骨筋腱(peroneal tendons)損傷は足関節外側に発生することから,足関節内反捻挫との鑑別が必要となる.腓骨筋腱は軟部組織であるがゆえに単純X線ではその病態を捉えることが困難であり,超音波検査(ultrasonography)は外来診療において,その場で簡便に検査できる有用な方法である.反復性腓骨筋腱脱臼(recurrent peroneal tendon dislocation:RPTD)は外来の場で,脱臼が再現できれば,診断は容易であるが,必ずしも脱臼が再現できるとは限らない.超音波ガイド下で腱鞘内に液体を注入することで,仮性囊が観察できればRPTDと診断ができる.また,腓骨筋腱断裂や腓骨筋腱滑車症候群についても超音波検査を用いることで,外来診療の場で診断が可能なことがあり有用である.

アキレス腱の外来超音波診療

著者: 杜多昭彦

ページ範囲:P.1013 - P.1020

 アキレス腱に関する愁訴で受診することが最近は比較的多く,外傷であればアキレス腱断裂があり,アキレス腱障害であれば,アキレス腱症,アキレス腱付着部症,踵骨後部滑液包炎といったものがある.アキレス腱断裂は近年保存療法の占める割合が増加しており,良好な結果が報告され,超音波検査を使用した治療法の選択や治療効果の確認もされるようになってきている.

 また,アキレス腱障害に関しても,超音波検査を使用することで診断と治療成績が向上してきている.今回アキレス腱の外来診療をする上で参考となるポイントに関して文献的な考察を含めて説明する.

遠位脛腓靱帯の超音波診療

著者: 寺本篤史

ページ範囲:P.1021 - P.1024

 遠位脛腓靱帯損傷は診断ならびに重症度の判定が困難な場合がある.前下脛腓靱帯(anterior inferior tibiofibular ligament:AITFL)は超音波検査によって直接描出することが可能なため,損傷の有無を診断しやすい.また,検査肢位の影響を受けにくく,遠位脛腓関節(distal tibiofibular joint)の動的不安定性評価も十分に可能である.超音波検査で遠位脛腓関節の離開を認め,明らかな不安定性を伴う場合は手術治療の適応となる.手術における遠位脛腓関節の整復位と安定性の評価においても超音波検査は有用なツールになり得る.

リスフラン関節損傷に対する超音波診療

著者: 岡田洋和

ページ範囲:P.1025 - P.1035

 リスフラン関節損傷は足根中足関節の骨,関節,靱帯の損傷である.一般的に荷重時の足部単純X線像による第1楔状骨外側縁と第2中足骨基部の内側縁の離開の有無により間接的に靱帯損傷や関節の不安定性が診断される.しかし,単純X線による画像診断の感度は低く,骨折や脱臼を伴わないリスフラン靱帯損傷の正確な診断は困難な場合が多い.誤診や見逃しは疼痛や機能障害を残すことが多い外傷にもかかわらず,その診断が難しいことがリスフラン関節損傷の問題点である.超音波検査は背側靱帯損傷や関節の離開の有無,動的な不安定性を評価することが可能であり,リスフラン関節損傷において有用な画像検査である.

小児足関節捻挫に伴う足関節外果裂離骨折の外来超音波診療の診断精度

著者: 木村青児 ,   山口智志

ページ範囲:P.1037 - P.1041

 小児足関節捻挫に伴う外果剥離骨折の診断精度を超音波検査とX線検査とで比較した.受傷後4週以降の再診時X線では,62%に外果剥離骨折を認めた.この診断を基準とすると,初診時の超音波は感度94%,特異度85%,X線は感度81%,特異度100%であり,感度(P=0.22),特異度(P=0.25)ともに同等だった.超音波は,小児足関節捻挫における外果裂離骨折に対してX線と同等の高い診断精度を有しており,スクリーニング検査として使用できる可能性がある.

スポーツにおける足部・足関節の骨折に対する外来超音波診療

著者: 大内洋 ,   荻内隆司

ページ範囲:P.1043 - P.1050

 スポーツにおける足部・足関節(foot and ankle)の靱帯や筋腱疾患の診断,治療に対して超音波(ultrasound)は広く用いられてきた.しかし近年超音波診断装置の技術革新が進んだことで画質が非常に鮮明になり,骨折(fracture)の診断にも超音波が使われるようになった.超音波は被曝の心配がなく,動的な評価が可能で,かつ骨組織で超音波が強く反射して描出されやすい,という特徴から非常に有用である.本稿では骨組織の一般的な超音波所見について説明し,次いで骨折,剥離骨折,若木骨折,疲労骨折,骨膜剥離,偽関節の超音波所見について説明した.最後に低出力超音波パルス治療(low-intensity pulsed ultrasound:LIPUS)による超音波治療,そしてJones骨折検診などスポーツ障害予防における超音波の役割について簡単に紹介した.

関節リウマチの前足部滑膜炎に対する関節エコー評価

著者: 原良太

ページ範囲:P.1051 - P.1056

 関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の前足部滑膜炎は理学所見による診断精度が低く,関節エコー評価が有用である.RAに特徴的な所見がみられることもあり,確定診断の精度の向上につながる.疼痛の訴えが少ない関節滑膜炎や,疼痛を伴う関節滑膜炎,腱鞘滑膜炎や滑液包炎などのRAの疾患活動性を確実に可視化することにより,より良い治療アウトカムを目指す.

後脛骨筋腱機能不全の超音波診断

著者: 平野貴章

ページ範囲:P.1057 - P.1062

 後脛骨筋腱機能不全(posterior tibial tendon dysfunction:PTTD)は多くの成人期扁平足の原因である.PTTDは,足関節内果後方から下縁の後脛骨筋腱に沿った腫脹と圧痛が認められ,その後足部変形を来す.超音波検査は,腱断裂のみならず,早期病態特定と治療困難になっている無症候性PTTD患者に対して,PTTDが進行する前に病態を特定するのに役立つ可能性が報告されている.外来における後脛骨筋腱の超音波検査は,早期より腱の状態を確認することができる検査法であり,PTTDの病期を的確に判断し治療を選択できる.

外来での足部・足関節の超音波ガイド下ハイドロリリース

著者: 平畑佑輔 ,   笹原潤

ページ範囲:P.1063 - P.1067

 外来診療における超音波の有用性が注目を集めている.数ある画像診断ツールの中における超音波の優位性として,簡便かつ低侵襲であること,リアルタイムに動的な観察ができることなどに加え,画像診断にとどまらず,注射のガイドとしても有用なことが挙げられる.この数年,tensegrity機能や局所循環の改善を目的とした超音波ガイド下ハイドロリリースに関心が集まってきている.本稿では,筆者が外来診療で行っている足部・足関節のハイドロリリースについて,実際の症例を提示して紹介する.

足部・足関節の外来超音波治療

著者: 屋比久博己 ,   西田康太郎 ,   熊井司

ページ範囲:P.1069 - P.1075

 近年超音波画像診断装置の画質向上に伴い運動器疾患に対する超音波画像診断が広く普及しており,足部・足関節疾患においてもその診断・治療への応用が進んでいる.足部・足関節疾患への治療として普及しつつある超音波ガイド下注射や体外衝撃波治療への超音波の活用,超音波ガイド下で外来治療可能となりつつある手術手技などについて解説する.

視座

遺伝子治療リバイバル

著者: 西田康太郎

ページ範囲:P.975 - P.975

 1990年代は遺伝子治療関連の研究が隆盛を極めた.かくなる私も留学先で椎間板に対する遺伝子治療プロジェクトを任され,一心不乱に研究に打ち込んだ.そんな中,1999年ウイルスベクターに対する免疫反応のために死亡事故が発生した.さらに2002年には免疫不全患者に対する遺伝子治療で白血病の発症が報告された.そのようなこともあって,遺伝子治療は勢いを失い,ES細胞やiPS細胞を中心とした幹細胞研究へと研究の方向性はシフトしていった.

 ところがその後20年近くが経過し,図らずも再び遺伝子治療が脚光を浴びることになった.新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンの登場である.それどころかmRNAワクチンは,今や世界中に広く受け入れられ,その目覚ましい効果からパンデミックに対抗する唯一の手段として,人類の希望の光となっていると言っても過言ではない.詳しいことは知らないが,ウイルスの一部のタンパクをコードするmRNAをリポフェクション法で筋肉細胞に導入し,導入されたmRNAが機能することでわれわれの細胞自身がウイルスのタンパクを産生,免疫を賦活化するというものだそうだ.厚生労働省の遺伝子治療の定義は「疾病の治療や予防を目的として,遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与すること」とある.DNAとRNAの違いはあれど,mRNAワクチンはまごうことなき遺伝子治療である.かの有名なiPS細胞だって山中因子4種類を細胞に導入して作成するという.山中因子も遺伝子なので,iPS細胞を用いた治療も立派なex vivo遺伝子治療の一種という見方もできる.臨床研究で目覚ましい効果が報告された脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子治療薬,ゾルゲンスマが本邦でも認可された.がんに対する遺伝子治療が保険適用外治療として日本国内でも既に多数実施されている.同じくがんに対する遺伝子治療と免疫チェックポイント阻害薬の併用療法の治験も始まっている.ウイルスを運ぶためのベクターの開発や,多くの研究/失敗から得た貴重な知見や工夫の積み重ねから,さまざまなタイプの遺伝子治療が開発され,今度こそ本当に役に立つ遺伝子治療ワールドが花開こうとしている.

連載 いまさら聞けない英語論文の書き方・35

研究テーマの決めかた

著者: 堀内圭輔 ,   千葉一裕

ページ範囲:P.1076 - P.1079

 研究テーマを決めることは重要です.しかし,研究を始める若手医師・研究者は,研究の知識や経験がほとんどない状態で,最も難しい判断を迫られることになります.自身のことはいったん棚に上げ,研究テーマに関するよもやま話を,筆者の経験を基にお話しします.誰しもがNatureやLancetといった一流誌に論文が掲載されるような研究を目指したいところですが,学位を取るには,まずは現実を直視し,確実な一歩を踏み出すことが重要です.それには,研究テーマを入念に検討しておくことが欠かせません.

Debate・5

若年者Stage 3A大腿骨頭壊死患者への人工股関節置換術—BHA vs. THA

著者: 山本卓明 ,   加来信広 ,   高尾正樹

ページ範囲:P.1081 - P.1086

症例:24歳,男性,身長176cm 体重63kg

主訴:2か月前より誘因なく左関節痛を自覚.近医受診し消炎鎮痛剤を服用するも,症状軽減なく,MRI撮影し,左大腿骨頭壊死症を指摘され紹介受診.歩行時痛が著明で,独歩困難.MRI上,右股関節には異常所見なし.

臨床経験

原発診療科は整形外科に何を求め,どのタイミングで骨転移患者を紹介するのか?—骨転移相談外来導入後1年の検討

著者: 杉本啓紀 ,   重松英樹 ,   城戸顕 ,   藤井宏真 ,   田中誠人 ,   塚本真治 ,   川崎佐智子 ,   倉田慎平 ,   須賀佑磨 ,   山本雄介 ,   田中康仁

ページ範囲:P.1087 - P.1092

背景・目的:2019年から骨転移相談外来(骨転移外来)を開始し,紹介患者の内訳を調査した.

対象と方法:対象は骨転移相談外来へ紹介された36例,調査項目は,年齢,性別,紹介時Performance Status,紹介目的,原発腫瘍,骨転移部位,骨関連事象(skeletal related events:SRE)発生の有無,治療選択である.

結果:紹介目的は,骨転移部への治療相談が31例,骨転移の診断依頼が5例であった.紹介時に19例(61.2%)が既にSREを有していた.

まとめ:紹介時に既にSREを生じている骨転移症例の割合は高値であった.当科の取り組みがSRE発症予防に結び付くか,引き続き検討を行う予定である.

鎖骨遠位端骨折の治療成績—フックプレートvs.ロッキングプレート

著者: 齋藤亮 ,   三谷誠 ,   三谷和慶 ,   熊谷直利 ,   片岡武史 ,   藤林功 ,   尾﨑琢磨

ページ範囲:P.1093 - P.1097

目的:鎖骨遠位端骨折に対してフックプレート(clavicle hook plate:HP)とロッキングプレート(distal clavicle locking plate:LP)を用いて手術を施行し,術後成績について比較検討した.

対象:HP群は8例,LP群は17例である.

結果:術後3カ月での可動域(屈曲,外転),JOA scoreにおいてLP群で有意に良好であったが,術後6カ月,12カ月では有意差を認めなかった.

まとめ:両群とも術後成績は良好であったが,術後,抜釘や可動域制限を必要としないLP群の利点は大きく,今後その適応と限界について検討する必要がある.

書評

組織病理カラーアトラス[Web付録付]第3版 フリーアクセス

著者: 藤井誠志

ページ範囲:P.1098 - P.1098

 『組織病理カラーアトラス』は,病理学を学ぶ上で必要なことを初学者が整理して極めて理解しやすいようにまとまった教科書であり,著者らの長年のご経験と病理学に対する深い造詣が本書のような教科書のご執筆を可能にしたと感銘を受けている.医学を学ぶ学生にとって,興味を持てる内容であること,理解しやすい内容であること,学ぶべき内容量が多すぎないこと,といった要素は賛否両論あると思うが,将来どの専門領域に進む医学生も診療面,研究面における病理学の重要性を学ぶ必要があることを鑑みると,重視されなければならないと感じる.

 本書は総論と各論に分けて構成されることと合わせて,豊富な索引用語が巻末に用意され,総論と各論を行き来しながら読み返して内容を理解できるように配慮されている.病理診断学は分類学の一つであり,形態像を表現する病理学的用語の定義を正しく理解することは病理学を学ぶ上での出発点である.

INFORMATION

第48回関東膝を語る会 フリーアクセス

ページ範囲:P.1080 - P.1080

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目次 フリーアクセス

ページ範囲:P. - P.

欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.973 - P.973

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.1099 - P.1099

あとがき フリーアクセス

著者: 黒田良祐

ページ範囲:P.1102 - P.1102

 新型コロナウイルス感染症の第4波がピークアウトし,沖縄県以外は緊急事態宣言が解除されました.東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されることが決まり,本号が発刊される8月には第5波が来ているのでは? 再度,緊急事態宣言が発令されているのでは?と不安にかられます.ワクチン接種が進み,収束の光がさすのはいつになるのでしょうか.

 さて,本号では特集「外来で役立つ 足部・足関節の超音波診療」を企画いたしました.人体内部の可視化を可能にしたX線の登場から100年,MRIは軟部組織の描出を可能とし,整形外科を大きく変えてきました.そして今,エコーを用いた診断・治療が整形外科診療の中で非常に重要な要素を占めるようになってきました.本特集では,まず外来超音波診療に必要な基礎知識をご解説いただき,足関節外側靱帯,足関節三角靱帯,腓骨筋腱,アキレス腱,遠位脛腓靱帯,リスフラン関節,後脛骨筋腱など各部位での診断治療,さらに小児やスポーツに特有の損傷に対する診断治療,関節リウマチの診断,超音波ガイド下ハイドロリリースなど,様々な方向から超音波診療の最新情報をご執筆いただきました.ディベートでは「大腿骨頭壊死患者への人工股関節置換術—BHA(bipolar hip arthroplasty) vs. THA (total hip arthroplasty)」と題し,山本卓明先生(福岡大学)に症例をご提供いただき,加来信広先生(大分大学)と高尾正樹先生(大阪大学)で誌上ディベートを行っていただきました.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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