icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科56巻8号

2021年08月発行

文献概要

特集 外来で役立つ 足部・足関節の超音波診療

腓骨筋腱の外来超音波診療

著者: 西村明展12 中空繁登3 千賀佳幸2 須藤啓広12

所属機関: 1三重大学医学部スポーツ整形外科 2三重大学医学部整形外科 3鈴鹿回生病院整形外科

ページ範囲:P.1007 - P.1011

文献購入ページに移動
 腓骨筋腱(peroneal tendons)損傷は足関節外側に発生することから,足関節内反捻挫との鑑別が必要となる.腓骨筋腱は軟部組織であるがゆえに単純X線ではその病態を捉えることが困難であり,超音波検査(ultrasonography)は外来診療において,その場で簡便に検査できる有用な方法である.反復性腓骨筋腱脱臼(recurrent peroneal tendon dislocation:RPTD)は外来の場で,脱臼が再現できれば,診断は容易であるが,必ずしも脱臼が再現できるとは限らない.超音波ガイド下で腱鞘内に液体を注入することで,仮性囊が観察できればRPTDと診断ができる.また,腓骨筋腱断裂や腓骨筋腱滑車症候群についても超音波検査を用いることで,外来診療の場で診断が可能なことがあり有用である.

参考文献

1) 伊藤 隆.Ⅲ 下肢の筋.高野廣子(編).解剖学講義.東京:南山堂;1983.p.165-93.
2) Cerrato RA, Myerson MS. Peroneal tendon tears, surgical management and its complications. Foot Ankle Clin 2009;14(2):299-312.
3) Sammarco GJ. Peroneal tendon injuries. Orthop Clin North Am 1994;25(1):135-45.
4) 荻内隆司.10)腓骨筋腱脱臼.大関 覚,熊井 司,高尾昌人(編).足の外科テキスト.Ⅱ.アドバンストピック 1.外傷性疾患.東京:南江堂;2018.p.112-7.
5) Eckert WR, Davis EA Jr. Acute rupture of the peroneal retinaculum. J Bone Joint Surg Am 1976;58(5):670-2.
6) Oden RR. Tendon injuries about the ankle resulting from skiing. Clin Orthop Relat Res 1987;216:63-9.
7) Davda K, Malhotra K, O'Donnell P, et al. Peroneal tendon disorders. EFORT Open Rev 2017;2(6):281-92.
8) 西村明展,福田亜紀,加藤 公・他.腓骨筋腱脱臼の診断における超音波ガイド下腱鞘内注射の有用性.日本整形外科超音波学会会誌2020;31(1):152-5.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら