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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科57巻11号

2022年11月発行

文献概要

症例報告

特発性脊髄硬膜外血腫の治療経験

著者: 渡邉健斗1 喜多晃司1 海野宏至1 佐藤昌良1 湏藤啓広2

所属機関: 1伊賀市立上野総合市民病院整形外科 2三重大学大学院医学系研究科整形外科学

ページ範囲:P.1359 - P.1364

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特発性脊髄硬膜外血腫は発症率1/100万人と稀な疾患である.治療方針に関してはさまざまな報告があるものの定まったものはない.高度な麻痺を伴い,それが改善傾向にない場合は手術が行われる傾向にある.一方で6〜8時間以内に麻痺症状の改善徴候が認められれば保存療法が可能とした報告が多い.今回当院で短期間に2例の特発性脊髄硬膜外血腫を経験した.2例とも発症後数時間で症状が改善傾向であったため保存療法方針とし,良好な結果を得ることができた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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