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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科57巻12号

2022年12月発行

雑誌目次

特集 大腿骨近位部骨折—最新トレンドとエキスパートの治療法

緒言 フリーアクセス

著者: 白濵正博

ページ範囲:P.1385 - P.1385

 日本整形外科学会の大腿骨近位部骨折治療ガイドライン委員会,および日本骨折治療学会や日本骨粗鬆症学会をはじめとした多くの関係機関のご協力のもと,令和4年度の診療報酬改定で,大腿骨近位部骨折の早期手術加算と,二次性骨折予防継続管理料が成立しました.今後ますます増えるであろう高齢者の大腿骨近位部骨折の治療をする立場からすると,今までいろいろな努力と工夫をして,求めてきた結果が認められたことと思い非常に喜ばしい限りであります.早期手術による早期機能回復,そして切れ目のない治療による二次骨折の予防と予後改善,健康寿命の延伸が期待できると思われます.

 高齢者の大腿骨近位部骨折はいろいろな問題も含んでいるため,早期手術を実行するには多職種連携による取り組みが必須であります.また,手術に関しても近年さまざまな手技の改良,新しいインプラントの開発など日進月歩,進化しています.転倒して骨折した高齢者は,少なくとも受傷するまでは1人で歩けていた状態ですので,受傷したときが一番元気なはずです.早期手術により患者の痛みと,臥床による筋力低下,合併症併発を早期に取り除くことが必要です.

治療体系

大腿骨近位部骨折治療における多職種連携とレジストリの重要性

著者: 重本顕史

ページ範囲:P.1387 - P.1394

高齢化が著しい大腿骨近位部骨折診療において,早期手術,既存疾患や高齢者特有の周術期合併症に注意した全身管理,さらには二次骨折予防など,機能予後や生命予後の改善には多岐にわたる包括的治療が必要である.これらを実践するには診療科,さらには職種の垣根を越え,各分野が専門性を発揮できる連携した取り組みが必要である.診療報酬改定後の大腿骨近位部骨折診療の医療の質の向上,患者QOLの改善,医療経済効果を適切に評価することが重要であり,レジストリによるデータベースの構築が不可欠である.

頚部骨折

大腿骨頚部骨折における分類と整復の重要性—骨接合術後の再手術を回避するために

著者: 脇貴洋

ページ範囲:P.1395 - P.1402

大腿骨頚部骨折はGarden分類に基づいて非転位型と転位型に分け,高齢者においては非転位型では骨接合術を,転位型では人工物置換が一般的に行われている.しかし,非転位型頚部骨折の成績は必ずしも良好ではなく,近年,非転位型における後捻や外反変形に関する新しいエビデンスが報告されている.非転位型で骨接合を行う際には,①正しく分類を行い,②後捻および外反変形の整復をし,③強固なインプラントを用いる,そして④早期に手術を行うことで,再手術を回避してよりよい治療成績を収めることが可能となり得る.

骨接合術—整復法とインプラントの選択

著者: 依光正則

ページ範囲:P.1403 - P.1409

近年,多くのインプラントが内固定に使用可能であるが,使い分けに関しては統一的見解がない.安定した骨折ではスクリュー固定のみで十分であるが,不安定性が強くなれば,より回旋や剪断力に対する固定性の高いインプラントの使用が望ましい.また高齢者では転位が残存したとしても早期に荷重可能な治療方法の選択が必要であり,一方,若年者では可能な限り解剖学的整復とそれを維持し得るインプラントの選択が必要である.インプラントが進歩した反面で,挿入手技はやや煩雑となっているため,確実な固定を行うために手技に習熟する必要がある.

大腿骨頚部骨折に対する早期機能回復を目的とした人工物置換の機種選択と進入法

著者: 馬場智規 ,   越智宏徳 ,   石島旨章

ページ範囲:P.1411 - P.1417

大腿骨頚部骨折に人工物置換を行う場合,早期に機能回復することが“forgotten joint”を達成する近道である.ステムは術中骨折の発生頻度が低いセメントステムを第一選択とし,bone cement implantation syndromeの複数リスク因子を有する症例は,セメントレスステムであるハイドロキシアパタイトコーティングステムを使用している.進入法は脱臼率が低く,軟部組織温存が可能な前方進入を選択している.本骨折は原則受傷前に疼痛はないので,人工物置換術後の完全なる除痛は必須である.人工骨頭置換よりdual mobility cupを用いた人工股関節全置換術はその効果を十分に発揮する.

大腿骨頚部骨折に対する人工物置換術の適応—BHAかTHA,セメントレスステムかセメントステムの選択

著者: 井上尚美

ページ範囲:P.1419 - P.1427

大腿骨頚部骨折に対して人工物置換術を行う場合,人工骨頭置換術(BHA)と人工股関節全置換術(THA)の選択,セメントレスステムとセメントステムの選択について述べる.1.BHAかTHAの選択:日常生活で外出など屋外活動が多い,あるいは就労中の症例では,THAを選択する.しかしTHAの経験が少ない施設・術者では安易に選択するべきではない.2.セメントレスステムとセメントステムの選択:術者の経験,画像から評価した骨質の判断で選択する.Dorr分類とCFIがその指標として有用であると考えられた.Dorr Type BまたはC,CFI 3.2以下の症例では,術者の手術手技に習得レベルに応じて選択を慎重に行うべきである.

転子部骨折

大腿骨転子部骨折 術前分類法と術後分類法の意義—どの分類法が有用か

著者: 林豪毅 ,   福田文雄

ページ範囲:P.1429 - P.1435

大腿骨転子部骨折の分類について,大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021(改訂第3版,南江堂)に沿って述べる.まず術前分類として,単純X線による分類は,AO分類,生田分類,そして宇都宮分類を,3D-CTによる分類は,中野分類と正田分類を取り上げた.次に,術後分類としてAP3×ML3分類を紹介した.「有用な分類」とは,治療方針や術後の予後予測に役立つものであり,①整復が容易か? ②術後の力学的安定性が得られているか?の判断材料となり得る分類が有用である.術前分類により骨折型を評価し,前方皮質骨がbone to boneで接触するよう「骨性コンタクト」をいかに得るか術前計画を立て,「安定した整復位」を得ることが大事である.術後整復位分類で翌日から全荷重の可否を含む予後を予測し,整復に不安がある場合は術後3D-CT撮影を行い評価する.

良好な骨性コンタクトを得ることを目指して—整復位得られていますか

著者: 塩田直史

ページ範囲:P.1437 - P.1443

大腿骨転子部骨折の治療においては,整復操作を行い良好な骨性コンタクトを獲得できるか否かが,最も大切なポイントである.3次元的に転位した主骨片同士を,さまざまな術中手段を用いて目標とする整復位・アライメントが得られるよう整復する.良好な骨性コンタクトは,完全な解剖学的整復・前方シフト整復・回旋整復によって得られる.本稿では,良好な整復位すなわち良好な骨性コンタクトを獲得するための整復操作における3つの要件(主骨片同士の骨性コンタクトの獲得・全体のアライメントの回復・骨頭骨片の回旋に対する固定性の獲得),そして術中テクニックについて述べる.

骨折型と骨粗鬆症に応じたインプラント選択

著者: 中嶋隆行

ページ範囲:P.1445 - P.1450

不安定型骨折に対する髄内釘固定において,安定型整復位を獲得できない可能性や,後外側骨片や髄内釘のswing motion,lag screwの偏心性挿入による術後の整復位破綻の可能性は低くない.骨粗鬆症による骨梁構造の変性から強固な把持力が発揮できず破綻する可能性もある.従来型のsingle lag screwの髄内釘での対応は困難であり,回旋安定性や補助的な固定力を要するインプラントの選択や,骨頭の海綿骨とlag screwのinterfaceへの骨補填材追加も考慮する必要がある.

OLSA®による後外側骨片の整復内固定の意義—どのような症例で内固定が必要か

著者: 徳永真巳

ページ範囲:P.1451 - P.1458

OLSA®は,転子部後外側(PL)骨片に対する専用内固定材料として開発された,髄内釘と併用できる国内初のインプラントである.PL骨片を整復内固定することによって,1)転位PL骨片の骨癒合に有利である,2)正確な髄内釘挿入点が作成できる,3)股関節外転筋機能の再獲得の一助となる,4)sagittal swing motionの抑制に繋がる可能性をもっている.前方骨性接触を有する整復位の獲得が最優先であるが,この整復位を獲得することができて次の一手というポジションでOLSA®の使用を勧めたい.

大腿骨転子間骨折(AO分類31A3)・逆斜骨折(Reverse Obliqueタイプ)に対する治療法

著者: 最上敦彦 ,   二村謙太郎

ページ範囲:P.1459 - P.1466

大腿骨転子間骨折(AO分類31A3)や逆斜骨折(reverse obliqueタイプ)の定義を明らかにし,二村分類をもとにインプラント選択も含めた治療戦略を提唱する.TypeⅠ(lateral wall pattern:LW)は通常の転子部骨折の治療戦略に準じる.TypeⅡ(transverse pattern:TV)は整復位獲得と保持が難しい横骨折であるが,適切なショートネイル(short femoral nail:SFN)で対応可能である.Type Ⅲ(reverse oblique pattern:RO)は真の逆斜骨折で,鉗子固定やワイヤリングにより外側壁と骨幹部を一体化させたうえでミドルネイル以上の長さの髄内釘で固定する.

転子部骨折術後合併症に対する治療—カットアウト・偽関節・感染のサルベージ

著者: 野田知之

ページ範囲:P.1467 - P.1474

大腿骨転子部骨折治療の代表的な術後合併症である①カットアウト,②偽関節,③感染に対する処置や救済手術について述べる.偽関節とカットアウトはそれぞれ関連しており,ラグスクリューやブレード周囲を中心とした骨頭内や大腿骨近位部の骨欠損を詳細に評価して治療計画を立案・遂行する必要がある.多くの症例で高度な人工物置換術が適応となるが,偽関節例では再骨接合が適応となる症例もあり,その手技にも精通する必要がある.感染に対しては躊躇せず検体の採取と洗浄,デブリドマン,抗菌薬局所投与(抗菌薬含有セメントビーズ留置やCLAPなど)を行い,安定したインプラントであればまず温存を試みる.

視座

ジャネーの法則

著者: 細金直文

ページ範囲:P.1381 - P.1381

 ここ数年,世の中の動きがとても早いと感じております.年を重ねるにつれて月日が経つのが早く感じられるようになるという話をよく耳にしますが,19世紀フランスの哲学者ポール・ジャネが“主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く,年長者にはより短く感じられる”現象をジャネーの法則として心理学的に説明しているようです.

 コロナ禍が始まって3年目になりますが,それまでは国際学会や研究会に年に複数回参加したり,他国のドクターとリサーチミーティングと称して集まっては食事をしながら議論をしたり,何かと海外に渡航する機会がありました.またときには帰国したその足で別の目的地に向かったり,国際線ラウンジに行けば他の国の会合に向かう知り合いに偶然会ったりすることもありました.どうしても時間が取れないときは1泊3日で渡米するなど,物理的にも心理的にもずいぶんと世界が近くにあるように感じておりました.ところが,わずか数年前のこれらの生活がコロナ禍を機に嘘のように急激に変化してしまいました.

最新基礎科学/知っておきたい

腰痛のメカニズム—加齢に伴う骨格筋減少と腰痛

著者: 酒井義人

ページ範囲:P.1476 - P.1480

はじめに

 有病率15.4%と報告される筋骨格系の慢性疼痛は,国内における患者数は推定約2000万人に及ぶとされる1).特に腰痛に関しては,男女とも75〜84歳で有病率はピークであり,加齢とともに増加する腰痛については,超高齢社会を迎えているわが国の現状に鑑みても看過できない大きな問題である.国民生活基礎調査では,疼痛の部位別では腰が最も多く,次いで肩,頚部と続いており,高齢になるほど腰痛が増加する原因の1つとして,加齢に伴う骨格筋の減少であるサルコペニアが挙げられる2)

 近年,高齢者のサルコペニアと腰痛の関連の報告が散見され,新たな治療法の開発も期待されるが,骨格筋の減少による疼痛発現機序については未だ解明されていない点が多い.サルコペニアの病態を整理し,慢性疼痛,特に腰痛発生に関連する骨格筋減少の生理学的・分子生物学的メカニズムにつき解説する.

運動とマイオカイン—骨格筋を中心とした多臓器連関

著者: 今井祐記

ページ範囲:P.1482 - P.1485

はじめに

 “Exercise is medicine”と言われるように1),運動が健康の維持やさまざまな疾患の改善に効果を発揮することは,整形外科医が最もよく理解できるのではないだろうか.運動により,骨格筋の質も量も向上し,基礎代謝が改善することで,主に骨格筋における糖や脂質の代謝状態が改善すると一般的には考えられてきた.それのみならず,近年,運動によって骨格筋から分泌されるさまざまな因子が,まるでホルモンのように他の臓器に作用し,骨格筋を中心とした多臓器連関として,健康維持や疾患改善に役立っていることが明らかになってきた.免疫系をはじめ多様な細胞から分泌されて他の組織や細胞に作用するサイトカイン(cytokine)や脂肪組織から分泌される因子であるアディポカイン(adipokine)にならって,このような骨格筋から分泌される因子はマイオカイン(myokine)と呼ばれている2)

 本稿では,マイオカインのなかでも,運動によってその分泌が上昇することで,多臓器に影響を与える代表的な2つの因子について,最近の知見を紹介する.

症例報告

初回手術から15年で確定診断に至った脂肪性腫瘍の1例

著者: 齋藤美希乃 ,   三輪真嗣 ,   山本憲男 ,   林克洋 ,   武内章彦 ,   五十嵐健太郎 ,   米澤宏隆 ,   森永整 ,   淺野陽平 ,   齋藤志朗 ,   野島孝之 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.1487 - P.1491

脂肪腫と異型脂肪腫様腫瘍(ALT)/高分化型脂肪肉腫(WDLS)は,切除術後の再発率が異なるため鑑別診断が重要であるが,MRI所見とHE染色による病理所見が類似し,鑑別が困難な場合がある.今回,脂肪腫の診断で手術された腫瘍が15年後の再発を契機に,FISHによって高分化型脂肪肉腫と確定診断された1例を経験したので報告する.現在,脂肪性腫瘍の鑑別ではMDM2,CDK4に対するFISHの診断精度が最も高い.自験例を踏まえると,脂肪腫とALT/WDLSの鑑別に難渋する場合には,適切な治療選択のためにFISHを積極的に行うべきと考えられた.

ノカルジアの皮膚感染症から脛骨骨髄炎・化膿性膝関節炎を発症した1例

著者: 菊岡亮介 ,   遠藤裕介 ,   河本豊広 ,   梶本遼介 ,   三谷茂

ページ範囲:P.1493 - P.1497

患者は7年前に土壌で転倒し左膝の挫創を受傷して,自然軽快した.3年前から左膝に皮疹が出現し寛解増悪を繰り返していた.半年前から微熱が持続し,1カ月前から左膝を中心に皮疹が多発してきたため当院を受診した.全身の発熱を認め,左膝の腫脹と紅色膨隆疹が散在していた.X線検査およびMRI検査で化膿性膝関節炎と脛骨骨髄炎を疑う所見を認めた.皮膚細菌培養検査でNocardiaとMRSAが検出された.関節鏡視下膝関節洗浄デブリドマンと抗菌薬投与で症状は改善し,術後感染の再燃なく膝関節機能も回復した.

書評

AO法骨折治療Wrist 英語版Web付録付 フリーアクセス

著者: 齋藤知行

ページ範囲:P.1475 - P.1475

 A4サイズの本書を手に取るとずっしりとした重みにまず驚かされる.本書を開くと,簡潔にまとめられた説明文,丁寧に描かれたイラスト,単純レントゲン写真やCT画像,術中写真が目に飛び込んでくる.それらは整然と配列され,その数は非常に多く,本書の重みの理由に納得する.

 本書の構成は第1部が手術進入法,第2部が症例の2部構成で,巻末に参考文献と骨折・脱臼分類が掲載されている.教科書を読んで覚えるという,これまでの体裁をとっていない.読み始めると,実際に治療に携わる外科医の視点や手術に対する思考過程に準拠して記述されていることに気付く.

臨床整形超音波学 フリーアクセス

著者: 田中康仁

ページ範囲:P.1486 - P.1486

 全ての運動器医療にかかわる方々に,本書をお薦めいたします.

 超音波画像構築技術の進歩やリニアプローブの開発により,整形外科診療にパラダイムシフトが起こり,今や超音波は日常診療に必須のものとなってきました.操作が簡単になり,誰でも手軽に目的とするものが描出できるようになったことで,裾野はますます広がっています.しかし,中にはまだ,超音波の有用性を感じながら,ご自身で超音波プローブを触ったことがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか.本書ではそのような方にもわかりやすいように第1章では「はじめの1歩—まずはのぞいてみよう」ということで,超音波画像の基本的なプローブの操作の仕方や描出方法など,全身の各部位について,誰でもわかるようにやさしく記載されています.

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目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.1382 - P.1383

欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.1384 - P.1384

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.1499 - P.1499

あとがき フリーアクセス

著者: 仁木久照

ページ範囲:P.1502 - P.1502

 プロ野球界に18年ぶりの三冠王が誕生しました.ヤクルトスワローズの村上宗隆選手,22歳での戴冠は史上最年少で,56本塁打は日本人選手の最多記録となります.1964年に王貞治さん(巨人)が記録した日本選手のシーズン最多本塁打記録,「聖域」ともいえる大記録を破ったのです.しかも,レギュラーシーズン最終戦での一発でした.9月13日の55号を受けて,ソフトバンクの王貞治球団会長は次のようにコメントしています.「投手が分業制のいまの時代に本塁打を量産するのはわれわれの時代よりも難しい.彼の技術がいかにずぬけているか.飛距離を含め,テレビではなく実物を見たいと思わせる選手.50本,60本と何回も打てると期待している」.そう,まさしく実物を見たいと思わせる選手です.さらに2022(令和4)年の対オリックスバファローズとの日本シリーズ第1戦でも,値千金のホームランで追加点をもぎ取りました.期待を裏切らないとはこのことなのではないでしょうか.55本で並んでいた王貞治さんを超えたことについては「偉大な方の記録を破ることができて,すごくうれしいが,いろんな先輩方は,もっとすごい偉業を成し遂げていますし,僕もこれから続けていくことが大事なので,もっともっと長いシーズン,こういう成績を残せるように頑張りたい」とのコメント.この謙虚さこそが,22歳という若さにもかかわらず,己をコントロールし努力を続けられ,プレッシャーにも打ち勝てるのだと思います.今後,注目したい若者の誕生です.

 さて,今月の特集は「大腿骨近位部骨折—最新トレンドとエキスパートの治療法」で,白濵正博先生に企画していただきました.大腿骨近位部骨折の治療体系に始まり,大腿骨頚部骨折の分類,骨接合術,人工物置換の機種選択と進入法,大腿骨転子部骨折の分類,整復,固定材料,合併症について取り上げていただきました.令和4年4月から,大腿骨近位部骨折における受傷後48時間以内の手術に加算がつくようになりましたので,ホットな内容といえると思います.本企画を通じて,大腿骨近位部骨折治療の最新事情に触れていただければと思います.さらに,細金直文先生の視座「ジャネーの法則」,最新基礎科学2編,そして症例報告2編とつづきます.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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