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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科57巻3号

2022年03月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨頚部骨折における骨折転位の有無が術前下肢深部静脈血栓症発生に与える影響

著者: 山部陽平1 森本政司1 竹上謙次1 友田良太1 川喜田英司1 内山照也1

所属機関: 1済生会松阪総合病院整形外科

ページ範囲:P.303 - P.308

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大腿骨頚部骨折治療において骨折転位の有無と深部静脈血栓症(DVT)発生率の相関を詳しく調べた報告はほとんどない.当院で手術を行った大腿骨頚部骨折患者481例489股(男性100股,女性389股,平均年齢80.2歳)を対象として,骨折転位の有無が術前のDVT発生に影響を与えるかについて後向きに調査を行った.症例をGarden分類に基づいて非転位型G1・2群と転位型G3・4群の2群に分類し,DVTの有無,DVTの存在側,性別,年齢,BMI,骨折側,受傷からエコー検査までの期間,対側骨折既往の有無,併存疾患の有無,抗凝固薬・抗血小板薬内服の有無について検討した.結果は,G1・2群に比してG3・4群にDVTが有意差(p=0.047)をもって多く認められ,転位型大腿骨頚部骨折では非転位型に比べてDVTが多く発生していた.

参考文献

1) 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会/日本整形外科学会症候性静脈血栓塞栓症予防ガイドライン策定委員会(編),日本整形外科学会(監).日本整形外科学会症候性静脈血栓塞栓症予防ガイドライン2017.東京:南江堂;2017.p.11-9.
2) 喜多晃司,森本政司,竹上謙次・他.大腿骨近位部骨折における術前の深部静脈血栓症スクリーニング.整形外科2018;69(3):201-7.
3) Kanda Y. Investigation of the freely available easy-to-use software ‘EZR’ for medical statistics. Bone Marrow Transplant 2013;48(3):452-8.
4) 喜多晃司,森本政司,竹上謙次・他.大腿骨近位部骨折の術後深部静脈血栓症スクリーニング.臨整外2018;53(5):399-407.
5) 山本陽平,三橋 繁,萩原雅司.大腿骨近位部骨折に対する周術期下肢深部静脈血栓症の検討.骨折2011;33(4):954-8.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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