icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科57巻5号

2022年05月発行

増大号特集 もう悩まない こどもと思春期の整形外科診療

3章 学校運動器検診からの二次検診

学校運動器検診の目的と実際

著者: 吉川一郎1

所属機関: 1自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児整形外科

ページ範囲:P.538 - P.546

文献概要

Point!

●学校運動器検診の源は,1898(明治31)年に学校医制度が設けられたところに始まる.

●学校検診における運動器検診の法的基盤は1958(昭和33)年に当時の文部省から発令された学校保健安全法である.

●現代のこどもは,身体の二極化現象を来しており,身体活動・運動・スポーツの不足による体力・運動能力の低下減少とその反対であるスポーツ過多によるスポーツ障害が同時に起こっているとみなされる.この二極化したこどもの健康問題を早期発見し,予防に結びつけるために実効を伴う国家的な仕組みとして成立したのが,学校運動器検診である.

●2016(平成28)年4月1日から施行されている学校運動器検診が法制化されたのは,「運動器の10年」日本委員会の啓発運動に関わった多くの整形外科医の努力に負うところが大きい.

参考文献

1) 運動器の10年 世界運動キャンペーンウェブサイト.http://bjdcampaign.info/(2022年1月28日アクセス)
2) 武藤芳照.学校における運動器検診について.学校保健2009;277:8.
3) 運動器の10年日本委員会.学校における運動器検診体制の整備・充実モデル事業報告書 平成19(2007)年度:第3報.2008.
4) 運動器の10年日本委員会.学校における運動器検診体制の整備・充実モデル事業報告書 平成22(2010)年度:第5報.2010.
5) 内尾祐司.運動器検診の概要から評価・判定・事後措置.整形外科2019;70(6):502-7.
6) 福田 潤.学校における健康診断の歴史と,運動器検診の意義.臨床スポーツ医学2009;26(2):125-32.
7) 公益財団法人日本学校保健会.学校保健の歴史(3).https://www.gakkohoken.jp/column/archives/69(2022年2月16日アクセス)
8) 福田 潤.学校検診の歴史から見た運動器検診の必要性.日臨整会報2009;3(1):211-214.
9) 文部科学省.健康教育(学校保健・学校給食).https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kokusai/002/shinryo/020801ei.htm(2022年1月28日アクセス)
10) 学校保健安全法.https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333AC0000000056(2022年1月28日アクセス)
11) 学校保健安全法施行規則.https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333M50000080018(2022年1月28日アクセス)
12) 公益財団法人運動器の健康・日本協会.http://www.bjd-jp.org/(2022年1月28日アクセス)
13) 栃木県教育委員会.学校と学校医のための栃木県学校保健マニュアル.平成29年2月.
14) 井樋栄二,吉川秀樹,津村 弘・他.標準整形外科学.第14版.東京:医学書院;2020.p.448.
15) 井樋栄二,吉川秀樹,津村 弘・他.標準整形外科学.第14版.東京:医学書院;2020.p.888.
16) 井樋栄二,吉川秀樹,津村 弘・他.標準整形外科学.第14版.東京:医学書院;2020.p.615.
17) 井樋栄二,吉川秀樹,津村 弘・他.標準整形外科学.第14版.東京:医学書院;2020.p.659.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら