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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科57巻6号

2022年06月発行

文献概要

視座

「自己肯定感」に思うこと

著者: 川島寛之1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科整形外科・リハビリテーション学分野

ページ範囲:P.727 - P.727

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 自己肯定感とは,「自分自身を価値のある存在として肯定できる感情のこと」と定義されている.つまり,仕事や収入,家庭環境など自分自身の日常に対して満足できている場合に,その人の自己肯定感は高くなると考えられる.ただし,自分自身の日常に満足できるかどうかは,それぞれの人がどれくらいの向上心を持って生活しているかによって,その評価は変わる.つまり,向上心が非常に強い人の場合,一生懸命に頑張っても自分自身に満足できず,自己肯定感を感じにくいこともあるだろう.一方で,向上心の弱い人は,自己満足しやすく,自己肯定感を感じやすいかもしれない.実際に「実力が伴わない人ほど自己肯定感が高い」などの心理学調査結果もあるという.

 自分自身に自信が持てず,価値がない人間だと思いこむことはだれしもあるのではないだろうか.かく言う私自身も,日頃の診療や研究の中で,間違った判断をしたり,思った通りのことが実践できなかったりして,自らを見失いそうになることもしばしばある.しかし,反省して下を向いているばかりでは,物事を前進させることはできず,同僚や後輩,さらに家族の活力まで低下させてしまうことになりかねない.周りを牽引する立場の者としては,できることなら自己肯定感を高い状態に維持し,自信を持って過ごすことができればと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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