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—トップジャーナルに学ぶ—センスのいい科学英語論文の書き方 フリーアクセス
著者: 倉本秋1
所属機関: 1高知医療再生機構
ページ範囲:P.814 - P.814
今回,『トップジャーナルに学ぶ センスのいい科学英語論文の書き方』を読み進めながら,30年以上前にレトロな東大分院の建物で教えてもらっていたことは,ステップⅠの「英語のマインドをつくる」に述べられている内容であったと気付いた.確かに,科学論文を書こうとする日本人は皆,英作文はできる.しかし残念なことに,「(日本の)学校英文法」とは似て非なる,「英文」を構成する法則,コンセプトの理解は欠落している.native speaker(以下,native)が学ぶようなparagraph writingの概念を教える授業は,日本にはないからである.そこをすっ飛ばして中学から大学まで英語を学んだ若い研究者たちは,卒前,あるいは卒後しばらくして初めての論文を完成させる.「事実は現在形で」とか,「受動態は少なめがよい」とかいう先輩の指示だけを道標に.“paragraph”を日本語の「段落」に置き換えただけの頭では,「ミニエッセイ風」などの構成は思いも至らない.このような前提を知らないと,nativeのproofreadを受け取ったとき,その朱字を許容し難い場合がある.nativeも,日本人の文の順序や改行を怪訝に思いながら,校正と格闘する羽目になる.
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