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視座
師の教えとパワハラ・アカハラ
著者: 相澤俊峰1
所属機関: 1東北大学整形外科
ページ範囲:P.837 - P.837
文献購入ページに移動僕が指導を受けた国分正一名誉教授は「教え厳しからざるは師の怠りなり」と言って,術前カンファレンスや論文の指導を厳しく行った.もともとは東北大学病理学実習室の入口に書いてあったものと記憶する.厳しいとは何か? 理不尽な要求,無理な高い要求をすることではない.妥協を許さないことである.論文であれば,ある一定のレベルに到達しなければ,何度でも書き直させる.何度も書き直させるということは,こちらも何度も読むということで,膨大な時間を要する.日頃の仕事や研究に費やす時間が増えると,後輩のために何度も論文を読んで指導する時間を惜しみ,「なあなあ」で済ませがちである.指導医に直してもらいました,と言って持ってくる論文を読むと,論理が間違っている,体裁が整っていないものがほとんどである.指導医が厳しく指導することを怖がっているようにも思える.ロジックの間違い,あるいは書式や体裁の間違いなら,専門的な知識がなくても指摘できる.「論文の書き方」の講義をしたり,図表の書き方を医局で説明したりしているが,一朝一夕では身につかないようだ.実際の論文で何度も根気強く指導するしかない.
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