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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科57巻8号

2022年08月発行

文献概要

症例報告

整形外科疾患による慢性疼痛を契機として自殺企図に至った7例

著者: 松本匡洋1 日野耕介1 臼井健人1 津村碧1 若山悠介1 竹内一郎1 稲葉裕2

所属機関: 1横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター 2横浜市立大学附属病院整形外科

ページ範囲:P.1025 - P.1027

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整形外科疾患による慢性疼痛を原因として自殺企図に至る患者がいることはあまり知られていない.本報告の対象は整形外科疾患による慢性疼痛が自殺企図の原因と考えられた7症例(男性6例,女性1例)である.刺創が4例,急性薬物中毒・入水・縊頚がそれぞれ1例ずつであった.主訴は下肢痛,歩行障害などと歩行に関するものが多く,男性・症状増悪後3カ月以内の症例では自殺リスクが高くなると考えられた.いずれの症例も器質的疾患だけではなく,心理社会的な要因などさまざまな要因が重なっており,多職種が関わるチームでの集学的治療が望まれる.

参考文献

1) 厚生労働省.2019年 国民生活基礎調査の概況.https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/3-1.html(2022年6月1日アクセス)
2) 久村正樹,百瀬ゆずこ,久野慎一郎・他.線維筋痛症と思われる疼痛を苦に自殺企図に至った1例.日救急医会関東誌2020;41(2):267-70.
3) Erlangsen A, Stenager E, Conwell Y. Physical diseases as predictors of suicide in older adults:a nationwide, register-based cohort study. Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol 2015;50(9):1427-39.
4) 日本整形外科学会,日本腰痛学会(監),日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,腰痛診療ガイドライン策定委員会(編).腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版.東京:南江堂;2019.
5) Crump C, Sundquist K, Sundquist J, et al. Sociodemographic, psychiatric and somatic risk factors for suicide:a Swedish national cohort study. Psychol Med 2014;44(2):279-89.
6) 矢吹省司.難治性慢性疼痛患者のリハビリテーション診療.Jpn J Rehabil Med 2021;58(2):186-91.
7) 「慢性の痛み診療・教育の基盤となるシステム構築に関する研究」研究班(監),慢性疼痛治療ガイドライン作成ワーキンググループ(編).慢性疼痛治療ガイドライン.東京:真興交易;2018.p.24-6.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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