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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科57巻9号

2022年09月発行

文献概要

論述

大腿骨転子部骨折の術前下肢深部静脈血栓症発生に骨折不安定性の有無が与える影響

著者: 内山照也1 森本政司1 竹上謙次1 友田良太1 川喜田英司1 小野佑太1

所属機関: 1済生会松阪総合病院整形外科

ページ範囲:P.1145 - P.1152

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大腿骨転子部骨折治療において不安定性と深部静脈血栓症発生率の相関を詳しく調べた報告はほとんどない.当院で手術を行った大腿骨転子部骨折患者426例434股(男性96股,女性338股,平均年齢85.6歳)を対象として,不安定性が術前の深部静脈血栓症(DVT)発生に影響を与えるかについて後ろ向きに調査を行った.症例を3D-CT中野分類に基づいて安定型と不安定型の2群に分類し,術前DVTの有無について検討した.結果は,安定型群では219股中36股(16.4%),不安定型群では215股中70股(32.6%)にDVTを認め,統計学的に有意差(p<0.001)をもって不安定型群にDVTが多くみられた.

参考文献

1) 中野哲雄.大腿骨転子部骨折.富士川恭輔,鳥巣岳彦(編).骨折・脱臼.改訂3版.東京:南山堂;2012.p.857-66.
2) Kanda Y. Investigation of the freely available easy-to-use software ‘EZR’ for medical statistics. Bone Marrow Transplant 2013;48(3):452-8.
3) 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,日本整形外科学会症候性静脈血栓塞栓症予防ガイドライン策定委員会(編).日本整形外科学会 症候性静脈血栓塞栓症予防ガイドライン2017.東京:南江堂;2017.p11-9.
4) 喜多晃司,森本政司,竹上謙次・他.大腿骨近位部骨折の術後深部静脈血栓症スクリーニング.臨整外2018;53(5):399-407.
5) 喜多晃司,森本政司,竹上謙次・他:大腿骨近位部骨折における術前の深部静脈血栓症スクリーニング.整形外科2018;69(3):201-7.
6) 山本陽平,三橋 繁,萩原雅司.大腿骨近位部骨折に対する周術期下肢深部静脈血栓症の検討.骨折2011;33(4):954-8.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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