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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科57巻9号

2022年09月発行

文献概要

症例報告

変形性膝関節症として紹介を受けた巨大膝窩囊腫による選択的腓骨神経麻痺の1例

著者: 福島啓太1 小宮浩一郎1 谷英明1

所属機関: 1川崎市立川崎病院関節機能再建・人工関節センター

ページ範囲:P.1163 - P.1166

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膝窩囊腫により選択的腓骨神経麻痺を生じた稀な1例を経験した.54歳男性.変形性膝関節症(OA)の手術目的で紹介されたが,紹介目的とは異なり腓骨神経麻痺が最も優先度の高い問題点と判明し,囊腫摘出術を施行した.OAや随伴する膝窩囊腫が下肢神経症状を呈することは少ないため,その原因として腰椎疾患を想起しやすい.このような診療バイアスは日常的に遭遇する疾患に内包された稀な病態をマスクする可能性があり,先入観を排除して丁寧に診察を行うことの重要性が再認識された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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