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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科58巻10号

2023年10月発行

文献概要

臨床経験

成人ばね指に対する手根管部ハイドロリリースの実際

著者: 高桑昌幸12 和泉俊平1 野原佑月1 菊入孝紘1

所属機関: 1高桑整形外科永山クリニック 2旭川医科大学整形外科学講座

ページ範囲:P.1279 - P.1283

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われわれは,成人ばね指例に対して,A1 pulley部の症状にかかわらず手根管部のエコー観察経験からばね指罹患指の屈筋腱と正中神経がインピンジメント(腱が正中神経に当たる,腱と神経の癒着により腱が神経を牽引変形させる)や絞扼する症例で疼痛例が多いことを見出し,同部のハイドロリリースを施行して有効な除痛結果を得てきた.ほぼ生理的食塩水にても即時効果として罹患指の除痛を得,テーピング治療との併用にて改善していく症例が多い.本稿ではその実際を提示し,単なる腱鞘部へのステロイド薬注射のみならず,新たな観点からばね指の保存療法を推奨したい.

参考文献

1) 竹内章悟,和泉俊平,今井咲来・他.成人ばね指に対するテーピング治療の実際.整形外科2022;73(8):874-5.
2) 中島大輔,黒沢一也,佐野浩志・他.可動域制限を有する狭窄性屈筋腱腱鞘炎(ばね指)に対するトリアムシノロン腱鞘内注射の有効性.日手会誌2010;26(6):534-6.
3) 服部辰広,松田康宏.接骨院における弾発指140例の調査・検討—特徴および発生原因を中心として.日体大紀2015;45:61-6.
4) 木村裕明,小林 只,並木宏文(編).Fasciaの評価と治療 解剖・動作・エコーで導くFasciaリリースの基本と臨床—ハイドロリリースのすべて.第2版.東京:文光堂;2021.p.235-8.
5) 松崎昭夫.手根管症候群手術中に見られた横手根靱帯・正中神経・指屈筋総腱滑液鞘の変化—手根管症候群発症の一考察.整外と災外2010;59(2):231-4.
6) 深水 優,松崎昭夫.手指の肢位による手根管内圧変化の測定.整外と災外2004;53(4):816-8.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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