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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科58巻11号

2023年11月発行

文献概要

臨床経験

手根管開放術後の手指屈曲障害の頻度と患者背景に関する検討

著者: 土岐健太12 山川めい1 大島由有1 中林勤1 辻井雅也23

所属機関: 1医療法人永井病院リハビリテーション科 2つじい整形外科・手の外科クリニックリハビリテーション科 3三重大学病院整形外科

ページ範囲:P.1373 - P.1376

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手根管症候群(CTS)は手指屈筋腱腱鞘炎が合併する頻度が高く,手指屈曲障害を合併する例も経験する.本研究は手根管開放術(CTR)を施行したCTS例の可動域制限に関連する因子を検討することである.術後6カ月の示指から小指2指以上のtip palm distance(TPD)で1cm以上の症例を屈曲障害有群とし,無群と比較検討した.屈曲障害を認めたのは11例(23.4%)で,示指から小指が有意に低値であり,男性の頻度が高く,CTSI-Fは有意に高値であった.CTSは屈曲障害により手機能の低下を認める例があるため,手指機能訓練による治療介入の可能性が考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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