icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科58巻2号

2023年02月発行

文献概要

調査報告

少年野球選手の肘関節痛に関わる危険因子

著者: 小関弘展1 梶山史郎2 西山裕太3 水上諭4 砂川伸也13 森川明典5 北村英利5 山口和博6

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健科学分野 2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科整形外科 3医療法人和仁会和仁会病院リハビリテーション部 4長崎大学大学院医歯薬学総合研究科公衆衛生学分野 5山口整形外科医院リハビリテーション科 6山口整形外科医院整形外科

ページ範囲:P.191 - P.197

文献購入ページに移動
目的:少年野球検診データより肘関節痛に関連する因子を検討した.対象と方法:少年野球選手216例を対象とし,肘痛なし群(98例)と肘痛あり群(118例)に分け,各項目を分析した.結果:肘関節痛(現在・過去)の有訴率は54.6%であった.肘関節痛に関与する因子として,身長,体重,野球歴,複数ポジションの兼任が抽出され,horizontal flexion testとmoving valgus stress testの陽性率が高かった.まとめ:少年野球選手の肘痛に関連する危険因子を解析し,検診において陽性率が高い診察手技を示した.

参考文献

1) Matsuura T, Suzue N, Iwame T, et al. Epidemiology of shoulder and elbow pain in youth baseball players. Phys Sportsmed 2016;44(2):97-100.
2) 松浦哲也.児童・生徒のスポーツ傷害の実態とその背景.武藤芳照,柏口新二,内尾祐司(編).学校における運動器検診ハンドブック.東京:南江堂;2007.p.25-9.
3) 大歳憲一,加賀孝弘,猪狩貴弘・他.少年野球における肘障害の予防 予防活動の実際 福島県での取り組み—形態変化と肘痛との関係.関節外科2014;33(11):1192-5.
4) Harada M, Takahara M, Mura N, et al. Risk factors for elbow injuries among young baseball players. J shoulder Elbow Surg 2010;19(4):502-7.
5) Sakata J, Nakamura E, Suzukawa M, et al. Physical risk factors for a medial elbow injury in junior baseball players:a prospective cohort study of 353 players. Am J Sports Med 2017;45(1):135-43.
6) O'Driscoll SW, Lawton RL, Smith AM. The “moving valgus stress test” for medial collateral ligament tears of the elbow. Am J Sports Med 2005;33(2):231-9.
7) 岩瀬毅信.小児整形外科における最近の進歩 スポーツ障害の予防・診断・治療 少年野球肘について.小児外科1996;28(6):703-10.
8) 坂田 淳.我が国における投球障害(肩・肘)の現状と対策 投球障害の理学療法とその予防 1,046例の野球肘臨床データと2,159名のメディカルチェック結果より.日本臨床スポーツ医学会誌2018;26(3):307-10.
9) Matsuura T, Iwame T, Suzue N, et al. Risk factors for shoulder and elbow pain in youth baseball players. Phys Sportsmed 2017;45(2):140-4.
10) Hang DW, Chao CM, Hang YS. A clinical and roentgenographic study of Little League elbow. Am J Sports Med 2004;32(1):79-84.
11) 松浦哲也,鈴江直人,柏口新二・他.少年野球選手の肘関節痛発症に関する前向き調査 危険因子の検討とガイドラインの検証.日整外スポーツ医会誌2012;32(3):242-7.
12) 岩瀬毅信,井形高明,柏口新二.スポーツ少年団の整形外科的メディカルチェック—少年野球の野外検診より.臨スポーツ医1996;13(10):1081-5.
13) Greenberg EM, Lawrence JTR, Fernandez-Fernandez A, et al. Physical and functional differences in youth baseball players with and without throwing-related pain. Orthop J Sports Med 2017;5(11):2325967117737731. doi:10.1177/2325967117737731.
14) Takagishi K, Matsuura T, Masatomi T, et al. Shoulder and elbow pain in elementary school baseball players:the results from a nation-wide survey in Japan. J Orthop Sci 2017;22(4):682-6.
15) 本間佑介.中学生軟式野球選手の疼痛発生状況とその特徴.理学療法群馬2018;29:34-40.
16) 松浦哲也:小学生野球選手の障害予防.臨スポーツ医2016;33(11):1074-7.
17) 植田篤史,橋本雅至,木下和昭・他.投球障害肘を有する小学生野球選手の肩関節可動域の特徴.日本臨床スポーツ医学会誌2017;25(3):454-7.
18) 竹中裕人,水谷仁一,伊藤岳史・他.少年野球選手の投球障害新規発症率と関連要因.愛知理療会誌2017;29(2):56-62.
19) 高橋亮輔,林 英俊,澁川正人・他.若年野球選手の上肢・下肢の可動域について—障害予防の観点から.身教医誌2005;6(1):31-7.
20) 島村安則,内野崇彦,尾崎敏文・他.【こどもの運動器検診の診察ポイント】肘関節痛・肩関節痛.Orthopaedics 2016;29(13):31-43.
21) 渡邊裕之,阿部 宙,岩間 徹・他.少年野球投手の肘関節投球障害発生状況と投球数ならびに身体機能との関係.日本臨床スポーツ医学会誌2010;18(1):45-51.
22) 彌冨雅信,鶴田敏幸,小松 智・他.学童野球競技者における身体機能の特徴—投球障害肘の有無での比較.日肘会誌2017;24(2):216-9.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら