文献詳細
文献概要
境界領域/知っておきたい
職域でみられる末梢神経障害—化学物質取扱いによる業務上疾病
著者: 松岡雅人1
所属機関: 1東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座環境・産業医学分野
ページ範囲:P.310 - P.313
文献購入ページに移動末梢神経障害は日々臨床の場において遭遇することの多い疾患の1つである.このなかには,業務に起因するものが含まれており,業務上疾病に該当するかどうかの検討が必要になることがある.業務上疾病は,労働基準法施行規則(労基則)第35条に基づく労基則別表第1の2に定められており,「職業病リスト」と呼ばれる.このうち,末梢神経障害または運動器障害を来すものとして,「身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する疾病」の「さく岩機,鋲打ち機,チェーンソー等の機械器具の使用により身体に振動を与える業務による手指,前腕等の末梢循環障害,末梢神経障害又は運動器障害」(第3号3),「電子計算機への入力を反復して行う業務その他上肢に過度の負担のかかる業務による後頭部,頸部,肩甲帯,上腕,前腕又は手指の運動器障害」(第3号4)と「化学物質等による疾病」の「厚生労働大臣の指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む.)にさらされる業務による疾病であって,厚生労働大臣が定めるもの」(第4号1)がある.
参考文献
掲載誌情報