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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科58巻4号

2023年04月発行

文献概要

特集 疲労骨折からアスリートを守る—今,おさえておきたい“RED-S”

RED-Sと疲労骨折

著者: 鳥居俊1

所属機関: 1早稲田大学スポーツ科学学術院

ページ範囲:P.367 - P.372

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FATに含まれる問題は男子長距離走選手にも確認され,より包括的な概念として摂取エネルギー不足を起点に視床下部性の内分泌異常により骨量減少を含む多彩な症状・徴候を引き起こすRED-Sが提案された.最近の高校駅伝選手では20年前よりもBMIが低く疲労骨折既往割合は高く,大学生選手を含めて体重や食事の制限をする選手で疲労骨折が多かった.成人の選手では骨量・骨密度の漸減は少なく,低骨量・骨密度は発育途上でのエネルギー不足が原因と考えている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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