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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科58巻4号

2023年04月発行

文献概要

Lecture

頚部神経根症の症候学—寝違えから両手麻痺まで

著者: 田中靖久1

所属機関: 1公立学校共済組合東北中央病院整形外科

ページ範囲:P.421 - P.430

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はじめに

 頚部神経根症は幾多の脊椎疾患の中でも1,2位を争うほどに発生頻度が高いと思われる.神経根圧迫由来の項・肩甲部痛の患者を含めての推測である.日常診療で出合う機会の多い本疾患を正しく理解できれば,頚椎症由来の項・肩甲部痛(頚部痛)の謎を解くいとぐちになり,脊髄症や絞扼性末梢神経障害との鑑別能力が格段に向上する.本稿では,頚部痛から頚髄症に類似する両手麻痺まで頚部神経根症の多様な症候を述べる.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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