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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科58巻5号

2023年05月発行

文献概要

増大号特集 できる整形外科医になる! 臨床力UP,整形外科診療のコツとエッセンス 1章 診断

頻用する腫瘍マーカーの種類と使い分け

著者: 林克洋1

所属機関: 1金沢大学附属病院整形外科

ページ範囲:P.474 - P.478

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Point!

●骨転移の原発不明癌で頻度が高いのは,肺癌,前立腺癌,リンパ腫,多発性骨髄腫,乳癌,腎癌である.

●可能ならまず胸〜骨盤CTを撮影し,原発巣が指摘できないなら,PSA(前立腺・男性),免疫電気泳動(多発性骨髄腫),sIL-2R(可溶性IL-2受容体・リンパ腫)を検査.適宜Tg(サイログロブリン・甲状腺),CEA(胃癌,大腸癌など)などの腫瘍マーカーも追加する.

●整形外科外来での腫瘍マーカーをとる意義は,骨転移で初診したがん患者を適切な科に紹介するためである.

参考文献

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11) 前川真人.腫瘍マーカー(がんのバイオマーカー)の最新情報とその適応.日内会誌2020;109(12):2471-6.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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