icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科58巻5号

2023年05月発行

増大号特集 できる整形外科医になる! 臨床力UP,整形外科診療のコツとエッセンス

2章 治療 スペシャリストからのメッセージ

小児整形外科の魅力

著者: 櫻吉啓介1

所属機関: 1金沢こども医療福祉センター

ページ範囲:P.650 - P.651

文献概要

●“pediatric”を“orthosis”する

 整形外科のロゴマークは,彎曲のある木に添え木をあてて,縄を巻いて矯正を行うことを表している.Orthopaedicsはpediatricをorthosisすることなのだから,小児の治療が最初にあったのだろう.小児整形外科は,ある意味整形外科の本流だというと言いすぎであろうか.近年は少子化の影響もあってか,小児整形外科を専門とする医師の数は減少傾向にあるといわれている.まだリーメンビューゲルが一般的ではなかった時代から整形外科医をされていた先生に,かつて整形外科の外来は先天性股関節脱臼のギプス巻きであふれていたと,お聞きしたことがある.先天性股関節脱臼はごくありふれた疾患であったが,先人の先生方の予防活動のおかげもあって激減し,病名も発育性股関節形成不全となり,一般の外来では目にする機会も少なくなった.しかし疾患が完全になくなるわけではないし,小児を専門とする整形外科医が少ないなら,今後ますます社会に求められる存在となっていくのではないだろうか.

 小児を専門にするにあたって,必ずしも子どもが好きでなければいけないことはない.整形外科の対象は高齢者が多いが,高齢者が苦手なので変性疾患を専門としないということはないであろう.自分が興味のある疾患を治療することが,専門を選択する条件の上位に来ると思う.

参考文献

1) 笠原吉孝.Ⅱ.Perthes病 装具療法.OS NOW No.2 股関節疾患の治療.東京:メジカルビュー社;1991.p.26-39.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら