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増大号特集 できる整形外科医になる! 臨床力UP,整形外科診療のコツとエッセンス column
答えは現場にある—膝複合靱帯損傷は初期治療から フリーアクセス
著者: 石橋恭之1
所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科整形外科
ページ範囲:P.666 - P.666
膝複合靱帯損傷の合併症の1つに膝窩動脈損傷があるのはご存じの通りである.診断の見逃しはもちろんご法度であるが,診断をつけても早期に血行再建が行われなければ下肢切断に至ることもある.膝関節後方アプローチで膝窩動脈を展開するが,本外傷に伴う動脈損傷は完全断裂よりは内膜損傷が多い.その場合,静脈移植を用いた血行再建となるため,緊急手術は夜間に及ぶことも稀ではない.血行再建は専門医に任せ,後日靱帯損傷だけ治療するというのもありである.しかし,血行再建から治療に参加し膝窩部から膝関節を観察してみると,関節包や靱帯は広範に断裂し転位しており,これらは保存的には決して治癒できないことが理解できた.
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