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増大号特集 できる整形外科医になる! 臨床力UP,整形外科診療のコツとエッセンス 3章 フォロー スペシャリストからのメッセージ
背側指動脈および背側中手動脈を血管茎とした有茎組織移植による手部骨軟部組織の再建
著者: 柿木良介1
所属機関: 1近畿大学整形外科
ページ範囲:P.719 - P.721
文献購入ページに移動Yangら1)は手部の微小血管造影による研究を行い,手指背側にも手指掌側部と同様に長軸方向の動脈が存在することを発表し,加えてそれらの動脈を栄養血管とする血管柄付き有茎組織移植の可能性を示唆した.手指背側に存在するこれらの動脈は,いくつかの動脈枝が互いに交通枝を出し合うことによって動脈網を形成している.またこれらの動脈は手指の主要動脈ではないため,この動脈を血管茎とする皮弁を採取したとしても手指の血行障害を起こさないという利点がある.また背側中手動脈は骨間筋および中手骨にも分枝しているため,背側中手動脈を血管茎として血管柄付き筋肉,骨移植も可能である.背側指動脈網,背側中手動脈を血管茎とする皮弁は,手指の軟部組織外傷の治療に大変有用である.
本稿では背側指動脈網もしくは背側中手動脈を栄養血管とした有茎血管柄付き組織移植の結果を報告し,かつその手術手技上の問題点についても考察する.
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