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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科58巻6号

2023年06月発行

文献概要

特集 FRIの診断と治療—骨折手術後感染の疑問に答える

骨折関連感染症(FRI)に対するModern Papineau法による治療

著者: 大野一幸1 杉田淳1

所属機関: 1堺市立総合医療センター整形外科

ページ範囲:P.771 - P.779

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Papineau法は人体が元来持っている創治癒能力による治療法で,創部を閉鎖する必要はなく,特別な技術も要しない.Modern Papineau法はこのPapineau法に局所陰圧療法(NPWT)を併用した方法である.第1期は創部の徹底的な搔爬を行い,肉芽形成のために湿潤環境を保持する.肉芽に覆われない組織は再度の搔爬を行う.この時期からNPWTを開始してもよい.第2期は海綿骨移植を行ってNPWTを開始し,早期に移植骨が良好な肉芽に覆われることを促す.第3期は肉芽に分層移植をするか,創の自然治癒を待つ.FRIの治療における習得すべき基本手技である.

参考文献

1) Archdeacon MT, Messerschmitt P. Modern Papineau technique with vacuum-assisted closure. J Orthop Trauma 2006;20(2):134-7.
2) 大野一幸,大澤良之.Papineau法とNPWT(negative pressure wound therapy)を併用し治癒し得た大腿骨慢性骨髄炎の1例.骨折2013;35(4):900-3.
3) Deng Z, Cai L, Jin W, et al. One-stage reconstruction with open bone grafting and vacuum-assisted closure for infected tibial non-union. Arch Med Sci 2012;10(4):764-72.
4) 松村宣政,大澤良之,大野一幸.Modern Papineau法による骨再建の治療成績.別冊整形外2017;36(71):118-22.
5) 大野一幸,大澤良之,松村宣政・他.脛骨開放骨折後慢性骨髄炎に対してNPWT(negative pressure wound therapy)を併用したPapineau法の治療経験.日創外固定骨延長会誌2016;27:53-9.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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