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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科58巻9号

2023年09月発行

雑誌目次

特集 脊椎内視鏡下手術の進化・深化

緒言 フリーアクセス

著者: 西良浩一

ページ範囲:P.1069 - P.1069

 この度,「脊椎内視鏡下手術の進化・深化」の編集を担当いたしました.わが国における脊椎内視鏡の歴史は1996年頃と記憶しています.山縣式,出沢式が原型と思います.1998年MED法登場で,瞬く間に国内に広がりました.和歌山県立医科大学の𠮷田宗人先生の功績が大きいです.私も2000年にMED法を開始しました.今回,総論としては内視鏡手術の黎明期から現在までの経緯,さらに国内の現状を解説していただいております.MEDに加え,2003年より国内にPED法が帝京大学溝口病院の出沢 明先生により導入されました.しかしながら現在ではPEDとは呼ばれず,FESSと呼ばれます.その変遷についても総論で解説いたしました.

 各論としてはMEDとFESSの2つを用意しました.MED法としてはまず,現在多くの施設で行われている,腰部ヘルニア摘出術と狭窄症除圧MEL法,そして頚椎除圧術への応用を解説していただきました.また,近年固定術への応用も進んでおり,その最先端技術にも触れていただきました.FESSも同様に椎間板ヘルニア摘出術と狭窄症除圧術の最前線が解説されています.FESSを使った固定術としまして,国内ではPELIF(2017),PETLIF(2018),FE-KLIF(2019)の名称・手法がありますが,この度はFE-KLIFについて詳細に触れていただきました.MEDおよびFESSともに固定術への応用がcutting edge technologyであることがおわかりいただけるものと思います.

総論

脊椎内視鏡手術の歴史と発展

著者: 山縣正庸

ページ範囲:P.1071 - P.1075

わが国における脊椎内視鏡手術の開発の歴史と技術認定制度,インシデントレポートシステムについて述べた.わが国では1970年代に経皮的な脊椎手術は開発されていたが,内視鏡は用いられていなかった.術野を視認できる脊椎内視鏡手術の嚆矢は腰椎に対する前方アプローチであった.その後,後方からのヘルニア摘出術から始まり,徐々に適応が頚椎を含めた脊柱管狭窄の椎弓切除(椎弓形成)へと発展していった.この間に日本整形外科学会が脊椎内視鏡下手術・技術認定制度を他科に先駆けて発足させた.これはのちにこの手術手技で診療報酬の請求が可能となったことにつながる.現在では経皮的なアプローチがさらに進化し,その低侵襲性から広く行われることとなっている.さらに手術器具の工夫によりfull endoscopeでの固定手術も可能となってきている.今後,外科手術に関連するAIが進歩すると,術前のより正確な病態把握が可能となり,さらに侵襲の少ない手術が行われる可能性が出てきた.手術手技の習熟,手術の効率性,安全性も格段に進歩することが期待される.

日本における脊椎内視鏡下手術の現状

著者: 二階堂琢也

ページ範囲:P.1077 - P.1083

脊椎内視鏡下手術は脊椎手術の低侵襲化に大きく寄与した技術の1つである.現在では除圧だけでなく,固定の手技も内視鏡下に可能となり,その適応が拡大している.一方,低侵襲手術は安全性が担保されて初めて真の低侵襲性が達成されることを忘れてはならない.国内の脊椎内視鏡下手術の調査として,日本整形外科学会主導の脊椎内視鏡下手術施行状況・インシデント調査が毎年実施されているが,回答率が低く実態が反映されていないという問題点があった.今後,国内の脊椎内視鏡下手術の実態を把握し,合併症対策を行っていくことによって脊椎内視鏡下手術のさらなる進化・深化に努めなければならない.

PEDからFESSへの変遷

著者: 西良浩一

ページ範囲:P.1085 - P.1087

2003年より国内でヘルニアなどの変性疾患への応用が始まった経皮的内視鏡手術PED法は,ヨーロッパではFED,米国ではSEDと呼ばれていた.2018年頃世界統一の名称をとの機運が高まり,full-endoscopic spine surgery(FESS)に統一された.

各論(1)MED

ヘルニア摘出術(脊柱管内・外側型MED)

著者: 南出晃人

ページ範囲:P.1089 - P.1095

腰椎椎間板ヘルニアに対する手術療法では,脊椎内視鏡下椎間板摘出術が一般的な手術法になりつつある.その内視鏡下椎間板摘出術は,MED法(microendoscopic discectomy)とFED法(full-endoscopic discectomy)に大別され,それぞれの長所・短所を理解し病態に合わせた術式選択をすることが望ましい.筆者らは,MED法では終板脱出を伴う椎間板ヘルニア例,骨切除を要する脊柱管狭窄に椎間板ヘルニアを合併しているcombined stenosis例,L5/S高位での椎間孔部・椎間孔外ヘルニア(外側ヘルニア)例,FED法では巨大脱出した椎間板ヘルニア例,再発した椎間板ヘルニア例などと,病態に合わせて選択している.

狭窄症手術MEL—山崩し・逆滑り台法:対側除圧に必要な手技

著者: 山屋誠司

ページ範囲:P.1097 - P.1108

筆者はMELで対側除圧を行う手法(山崩し・逆滑り台法)を頚髄症に対するCMEL,胸椎黄色靱帯骨化症に対するTMELや腰部脊柱管狭窄症に対するUBELでも同じく行っている.黄色靱帯を摘出する前に“尾側椎弓根内縁の位置まで”ダイヤモンドドリルで除圧することが大変重要である.MELの手技といっても地区や施設間で,手技の内容が異なる.本稿では,国内留学を行った筆者の視点で,和歌山で教えていただいた手術手技の中で『教科書に記載されておらず,言語化されていない重要な手術手技』をあえて“和歌山式MEL”と表記させていただき,手技を解説する.

*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年9月末まで)。

MEDシステムを用いた低侵襲頚椎除圧手術

著者: 中川幸洋

ページ範囲:P.1109 - P.1116

Microendoscopic discectomy(MED)手術は腰椎椎間板ヘルニアの低侵襲手術として報告された.その後の手術器械の開発・改良や手術手技の確立によって,MED手術は腰部脊柱管狭窄症や頚椎変性疾患の除圧手術にも適応を広げている.頚椎MED手術は,頚部神経根症に対する内視鏡下頚椎椎間孔拡大術(CMEF),頚部脊髄症に対する内視鏡下頚椎椎弓形成術(CMEL)に分類され,それぞれMEDシステムを用いて頚椎神経根,もしくは脊髄の除圧を行うものであり長期的にも安定した成績が得られている.CMEFが通常の椎間孔拡大術をMEDシステムを用いて行うのに対して,CMELはexpansive laminoplasty(LAP)とは異なり椎弓間のsegmental decompressionを行うという点で,適応や除圧のメカニズムがLAPとは異なることに留意すべきである.

MED椎間固定術—ME-ELIF(Micro Endoscopic-Extraforaminal Lumbar Interbody Fusion)手技の考案から発展

著者: 田上敦士 ,   尾﨑誠

ページ範囲:P.1117 - P.1123

ME-ELIF(micro endoscopic-extraforaminal lumbar interbody fusion,日本語名ミーリフ)はELIF(extraforaminal lumbar interbody fusion)手技をMED法を用いて行う腰椎椎体間固定術であり,間接除圧固定術を基本理念としている.上関節突起のみ切除し,true safety zoneから進入し安全かつ簡素で,極めて低侵襲な固定術である.また,手術手技に改良を重ね手術時間や出血量を抑えることが可能となった.椎体間固定術の選択肢として身につけるべき手技の1つと考えている.

各論(2)FESS

経椎間孔的全内視鏡下椎間板切除術(TF-FED)

著者: 藤本秀太郎 ,   西良浩一

ページ範囲:P.1125 - P.1132

経椎間孔的全内視鏡下椎間板切除術(TF-FED)は,局所麻酔下に8mmの皮膚切開で施行できる最小侵襲のヘルニア摘出術である.患者を痛がらせず,手技を完遂するには正確な穿刺に基づく確実な局所麻酔が必須である.また本手技は上関節突起(SAP)の適切な切除によって,神経根を避けて安全に椎間板に到達しつつ,確実にヘルニアを切除することが重要である.当科における局所麻酔の手順,必要十分な骨切除を行うための考え方・手技の実際について,術前計画を含めて解説する.

全内視鏡下腰椎椎間板切除術経椎弓間法(FED-IL法)の実際

著者: 福原大祐 ,   小野孝一郎

ページ範囲:P.1133 - P.1140

全内視鏡下腰椎椎間板切除術(FED)は,腰椎椎間板ヘルニアに対する最小侵襲外科的治療法である.主に経椎間孔法(TF法)や経椎弓間法(IL法)などがあるが,従来のアプローチに近いIL法は,脊椎外科医にとって親しみやすいアプローチである.FEDは従来法と比較して多くの利点があり,患者や脊椎外科医にとって負担が少ない手術であるが,ラーニングカーブや導入コストの高さなどのハードルも存在する.本稿ではIL法の手術適応,麻酔法,術前セッティング,手術手技について詳述する.

外側陥凹部狭窄症に対するTFアプローチ全内視鏡下除圧術

著者: 木島和也

ページ範囲:P.1141 - P.1145

トランスフォラミナールアプローチによる全内視鏡下外側陥凹部除圧術は,局所麻酔下に8mmの皮膚切開,筋間アプローチで手術を行うため背筋への侵襲も最小限に抑えることができ,最小侵襲脊椎手術といえる.手術を行うには正確な椎間板穿刺,椎間孔部の解剖の理解,ドリルによる上関節突起切除が必要である.手術成績は良好な結果が報告されているが,術前に不安定性を要する症例では術後成績が不良であることがわかっている.ラーニングカーブや導入コストの問題はあるが,これらが解消されれば高齢者や全身合併症が多くある患者さんには特にメリットの大きい術式である.

全内視鏡下Trans-Kambin固定術(Fullendo-KLIF)

著者: 八木清

ページ範囲:P.1147 - P.1153

Fullendo-KLIFはKambin三角よりアプローチし,foraminoplastyを行うことによりワーキングスペースを拡大し,椎間板郭清,椎体間cageの挿入を全内視鏡下に行う手技である.経椎間孔経路での侵入となるため,前側方アプローチのような臓器損傷,大血管損傷が少なく,体位変換が必要なく腹臥位のみで可能である.また椎間関節を温存でき,間接除圧による症状の改善が期待できる手技であり,後方支持組織に最小侵襲である.本稿ではfullendo-KLIFの手術手技と有用性について概説する.

展望:痛みを視る

椎間板性腰痛の痛みを視る

著者: 手束文威

ページ範囲:P.1155 - P.1159

High signal intensity zone(HIZ)はT2強調MRIで椎間板線維輪内に認められる高輝度領域であり,椎間板性腰痛との関連が報告されている.当科ではHIZを伴う腰痛患者に対し,椎間板造影ブロックを行い椎間板性腰痛と診断した場合,局所麻酔下のfull-endoscopic discectomy and thermal annuloplasty(FED-TA)を行っている.これまで数多くの椎間板性腰痛患者を経験し,椎間板内の術中鏡視所見を通して,HIZを伴う椎間板性腰痛患者の椎間板線維輪には炎症による発赤,新生血管や出血がみられることがわかった.

Modic Changeの痛みを視る—Modic Changeによる慢性腰痛に対する全内視鏡下手術の臨床成績と術中鏡視所見

著者: 杉浦宏祐 ,   西良浩一

ページ範囲:P.1161 - P.1166

Modic changeによる腰痛に対する保存療法は効果が乏しく治療に難渋することも珍しくない.一般的には椎体間固定術が選択されるが,若年者や活動性の高い患者に対しては椎間可動性が温存される低侵襲な手術が理想的であり,全内視鏡下に椎間板内の洗浄と変性椎間板の郭清,椎体終板の焼灼手術(FEDC)が開発された.術後早期より除痛が期待でき,特に椎間板造影にて再現痛が確認できる症例は良好な成績が期待できる.Modic changeの部位を全内視鏡で確認すると変色椎間板,および発赤し易出血性の椎体終板が確認でき,終板への病的な血管新生に伴う炎症物質の流入がModic changeによる腰痛の一因と考えられた.

慢性腰椎椎間関節痛に対する内視鏡腰神経後枝リゾトミー

著者: 出沢明

ページ範囲:P.1167 - P.1172

難治性慢性腰痛の一般的なリゾトミー根治術には,高周波焼灼術と低侵襲の内視鏡リゾトミーの2種類がある.神経線維は,手術器具で切断したり,化学物質や電流で焼いたりすることで処理される.最近のBASGに代表されるMRIの細径神経の可視化はめざましい.併せて内視鏡などの光学機器の進歩には目を見張るものがある.後枝内側枝を確認して確実に処理を行う選択的リゾトミーをはじめ今後さまざまな分野に内視鏡の技術が応用されるであろう.

境界領域/知っておきたい

慢性炎症性脱髄性多発神経炎

著者: 小池春樹

ページ範囲:P.1174 - P.1177

はじめに

 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy:CIDP)は2カ月以上にわたる進行性,または再発性の経過で運動感覚性の末梢神経障害(ニューロパチー)を来す免疫介在性の疾患である1,2).電気生理学的に脱髄を示唆する所見がみられることが診断上重要であるが,臨床像は多様であり,複数の病態が混在した疾患と考えられている.自己抗体などの疾患特異的なバイオマーカーが明らかになっておらず,これまでに多くの診断基準が提唱されてきた.なかでも有名なものとして,American Academy of Neurology(AAN)が提唱した診断基準と,European Federation of Neurological Societies/Peripheral Nerve Society(EFNS/PNS)ガイドラインの診断基準の2つがあり3,4),特に後者(EFNS/PNS診断基準)が頻用されてきた.EFNS/PNSのガイドラインは2021年にEuropean Academy of Neurology(EAN)/PNSガイドラインとして改訂版が発表され,病型の呼称や診断基準に若干の変更がみられた5)

 わが国におけるCIDPの有病率と発症率は,AANの診断基準を用いて2004〜2005年にかけて行われた全国疫学調査によると,それぞれ10万人あたり1.61人と0.48人であった6).AANの診断基準は1991年に典型的CIDPを想定して作成されたものであり,現在頻用されているEAN/PNS診断基準を採用した場合,後述するような亜型も加わることから,有病率と発症率はより高くなると考えられている.

症例報告

骨粗鬆症に対するビスホスホネート治療中に外傷なく発生した中足骨骨折の1例

著者: 岩本潤

ページ範囲:P.1179 - P.1184

骨粗鬆症に対するビスホスホネート(BP)治療中に外傷なく発生した稀な第3中足骨骨折の1例(83歳女性)を経験したので報告する.BP製剤で治療中(治療期間:3年8カ月)に,歩行時に誘因なく右足部痛が出現した.単純X線で,第3中足骨近位1/3部にごく軽度の転位を伴う鮮明な横・斜骨折を認めた.非定型骨折でみられる外骨膜肥厚や内側スパイクと思われる像も認められた.BP治療を中止し,テリパラチド治療(3カ月)を行い,骨癒合が得られた.

書評

The Grasping Hand日本語版(グラスピング・ハンド)—手・上肢の構造と機能 フリーアクセス

著者: 大山峰生

ページ範囲:P.1173 - P.1173

 本書を手に取ると,まず目に入るのが「The Grasping Hand」という文字である.本書は解剖学書であるが,なんと斬新なタイトルであろう.タイトルには執筆者の深い思いが込められているものであるが,読者の方々はこのタイトルから何を感じとるであろうか.

 手は人の進化の過程の中で重要な器官として存在し続け,中でも手の把持機能は人が生活する上で欠かせないものとして発達し続けてきた.初期においては環境に適応するために支持物を掴んで移動することを可能にした.次には,粗大な把持機能から個々の指の独立運動を獲得したことにより,精密な把持や道具の使用など,より高度な作業を可能とした.特に,道具の使用は手の延長として機能し,生存競争において優位性をもたらした.そして現代では,われわれは当たり前のように手を利用しているが,多くの動作において手が主役となって生活を支え,その手を効果的に使うために肩,肘,前腕,手関節運動が制御されていることを実感する.こうした観点から改めて本タイトルを見つめ直してみると,手の把持機能は果てしなく長い時間の経過の下に進化し続けてきた究極の賜物であり,「The Grasping Hand」というタイトルは手の基盤となる機能を示しているのみならず,この一語で手の重大さや尊厳までを表現しているといっても過言ではない.名づけの由来はどうあれ,原書編集者であるAmit Gupta先生ならびに玉井誠先生の手に対する敬意と情熱が直接的に伝わってくる感覚を覚える.

解剖学カラーアトラス 第9版 フリーアクセス

著者: 弦本敏行

ページ範囲:P.1185 - P.1185

 定番の『解剖学カラーアトラス』が第9版に改訂されました.前回から実に7年の歳月を経ての待望の改訂です.初版は1985年に出版されていますが,本書がこれまで一貫して評価されてきたのは,理想的な状態に剖出展開された解剖野の再現を,最高品質の写真画像で追求した点です.本書を構成する数々の精密な写真は,美しいグラフィックと比較しても,はるかに正確かつリアルに対象を描出しています.模式図やイラストで構成される多くの類似書とは一線を画する貴重な解剖学アトラスです.これらのリアリティあふれる写真画像の提供を可能にしたのは,高い技術を持つ独日両国の熟練した解剖学研究者たちと,対象物を忠実に再現するプロカメラマンとの,高いレベルにおける共同作業でしょう.

 これらに加えて,この第9版では医学生の学習効率を高めるための多くの進化が確認されます.まず,目次を見て気付くのは,本書を構成する各章の順番が整理されていて,他の多くの解剖学の教科書との整合性が図られていることです.このことによって,実際の解剖学実習のための副読本としての利便性は一段と向上するでしょう.

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目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.1066 - P.1067

欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.1068 - P.1068

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.1187 - P.1187

あとがき フリーアクセス

著者: 松本守雄

ページ範囲:P.1190 - P.1190

 現在,梅雨明け間近で非常に暑い日が続いています.「危険な」,「10年に一度の」,「体温を超える」などの形容語とともに,連日暑さについての報道が行われています.私が若い頃も夏は暑かったのですが,このような形容語はあまり聞いたことがありませんでした.地球温暖化が確実に進んでいることを実感し,孫子(まごこ)の代までこの地球を住める状態に保つことが自分たちの世代の責務だと考える毎日です.私たちは大量生産・大量消費の時代を生きてきたわけですが,最近ではSDGs(sustainable development goals)が意識され,物を無駄に消費するのではなく,生活に必要最小限の物を厳選して暮らしていくミニマリストと呼ばれる人も増えているそうです.

 さて,本号の特集は徳島大学 西良浩一教授に「脊椎内視鏡下手術の進化・深化」のタイトルでご企画いただきました.脊椎手術も大きな切開・大きな侵襲の時代から,内視鏡を用いた必要最小限の切開・アプローチにより最小侵襲で行う時代になってきました.本邦ではその過程で先人のご努力のもと技術認定制度や合併症調査など内視鏡下手術を安全に患者に提供する体制が構築されてきました.脊椎内視鏡は普及とともにさまざまな腰椎疾患・病態に広く応用されるようにもなってきました.本特集では脊椎内視鏡の第一人者の先生方にこれらの進化・深化の過程を詳しくご解説いただいています.「境界領域/知っておきたい」には佐賀大学脳神経内科の小池春樹教授に整形外科医が鑑別疾患として知っておくべき慢性炎症性脱髄性多発神経炎についてご寄稿いただきました.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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