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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科59巻1号

2024年01月発行

文献概要

書評

—入職1年目から現場で活かせる!—こころが動く医療コミュニケーション読本 フリーアクセス

著者: 石川ひろの1

所属機関: 1帝京大学大学院公衆衛生学研究科/医療共通教育研究センター

ページ範囲:P.109 - P.109

 この20年ほどの間に,日本の医療者教育においても,コミュニケーションは医療者が身につけるべきコンピテンシー(能力)の一つとして広く認識されるようになってきた.客観的臨床能力試験(OSCE)の導入などと相まって,コミュニケーションは教育可能,評価可能な能力としてとらえられるようになるとともに,そこでは特にスキルの教育に焦点が当てられてきた.時に「マクドナルド化」と揶揄されながらも,学生だけでなく教育に携わる医療者の意識を大きく変え,全体としての医療者のコミュニケーション能力を底上げしてきたことは間違いないだろう.一方で,卒後のコミュニケーション教育は,それほど系統立って行われてはおらず,それぞれの現場に依存しているのが現状である.本書は,学部教育の先のコミュニケーションについて,何をどう学んだらよいかの手がかりになる一冊である.

 本書は,臨床心理士でもある著者による「週刊医学界新聞」の連載「こころが動く医療コミュニケーション」に大幅な加筆,書き下ろしを加えてまとめられたものである.「入職1年目から現場で活かせる」ような場面やトピックを取り上げ,基本的かつ実践的なコミュニケーションのスキルがバランスよく紹介されている.患者さんとのコミュニケーションだけでなく,医療者同士のコミュニケーションも含め,コミュニケーション研究のエビデンスに基づくスキルや対処方法が具体例とともにわかりやすくまとめられているという点で,まさに明日から使える実践書と言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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