icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科59巻10号

2024年10月発行

文献概要

症例報告

橈骨遠位端骨折の抜釘術後に正中神経の神経剥離術を要した4例

著者: 本田宗一郎1 多田薫1 赤羽美香1 中村勇太1 森灯1 出村諭1

所属機関: 1金沢大学大学院整形外科学

ページ範囲:P.1253 - P.1256

文献購入ページに移動
橈骨遠位端骨折術後の抜釘術に伴う合併症の報告は少ないが,当科では抜釘術後に正中神経障害を発症し神経剥離術を要した4例を経験した.いずれの症例も神経剥離術により症状の改善を認めたが,最終経過観察時に症状が遺残していた.橈骨遠位端骨折術後の抜釘術の際は正中神経の走行に注意するとともに,組織に対する愛護的な操作を心掛けるべきである.

参考文献

1) 古田和彦,勝井龍平.橈骨遠位端骨折術後の掌側プレートは抜去すべきである.骨折2010;32(2):255-7.
2) 石井英樹,角田憲治,田中博史.抜釘術から考える橈骨遠位端掌側ロッキングプレート治療における可動域制限の原因.骨折2017;39(3):512-5.
3) 西脇正夫,岡崎真人,岩本卓士・他.撓骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレート固定術後の抜釘の現況.骨折2021;43(3):494-7.
4) Perregaard S, Jørgensen RW, Landgren M. Complications after volar locking plate fixation of distal radius fractures:a retrospective study of 822 patients. J Hand Surg Am 2023;S0363-5023(22)00714-6. doi:10.1016/j.jhsa.2022.11.012.
5) Lee JK, Lee Y, Kim C, et al. Volar locking plate removal after distal radius fracture:a 10-year retrospective study. Arch Orthop Trauma Surg 2021;141(10):1711-9.
6) 佐藤研友,大山素彦,穐元 崇.橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレート抜釘後の合併症.東日本整災会誌2016;28(1):64-5.
7) Wang ML, Rivlin M, Graham JG, et al. Peripheral nerve injury, scarring, and recovery. Connect Tissue Res 2019;60(1):3-9.
8) Lee JG, Seonwoo SM, Lee HK, et al. Radius palmar plate removal without carpal tunnel release:correlation between plate position and median nerve symptoms. Hand Surg Rehabil 2023;42(3):230-5.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら