icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科59巻10号

2024年10月発行

文献概要

書評

感染対策60のQ&A フリーアクセス

著者: 山田和範12

所属機関: 1中村記念病院薬剤部 2北海道科学大・薬学

ページ範囲:P.1257 - P.1257

 コロナ禍を経て,全ての医療従事者は以前にも増して,正しい知識に基づいた感染対策を実践することを求められるようになった.得てして,施設の感染対策では現場と管理側スタッフの行動が乖離していることがある.真面目な管理スタッフほど,無意識に正論を振りかざし,現場スタッフは「感染は現場で起きているんだ!」と言いたい気持ちをこらえ,独自のルールを運用してささやかな抵抗をしていたりする.両者がめざすゴールは同じで「感染から患者さんと医療スタッフを守りたい」はずなのだが…….そしてこの小さな綻びを突いて,感染症やアウトブイレクが発生したりする.このような「現場と管理側スタッフとの行動の乖離」は,突き詰めれば両者の視点がズレていることが原因である.このズレを解消する糸口の1つとなるのが本書である.

 一般的にHow to本の記載は,最新で充実した施設が前提となっていることが多く,そうではない(経年が目立ち設備面でも恵まれていない)施設では,「そこまでできないなぁ」と諦めがちである.しかし,本書は,充実した環境での対応のみならず,現在のセッティングでできることにも言及しており,どんな施設・環境であっても感染対策に取り組む上での羅針盤になる.そして,押さえるべきポイントはしっかりと押さえられており,妥協がない部分は小気味よい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら