icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科59巻3号

2024年03月発行

雑誌目次

特集 知ってると知らないでは大違い 実践! 踵部痛の診断と治療

緒言 フリーアクセス

著者: 神崎至幸

ページ範囲:P.231 - P.231

 皆様は踵部痛と聞いて,どんな疾患を思い浮かべになるだろうか.足底腱膜炎,疲労骨折あたりは出てきても,続く疾患はあまりないのではないかと思われる.その原因としては,足の外科が整形外科の中でもマイナー領域であるために,踵部痛を引き起こすさまざまな疾患が認知されていないことが大きいのではないかと考える.そこで今回の特集では足の外科のエキスパートの先生方に,さまざまな踵部痛の原因疾患の診断と治療についてまとめていただいた.

 まず足底痛の代表である足底腱膜症に関しては百武整形外科・スポーツクリニックの田中博史先生にお任せした.最も後方のアキレス腱付着部については済生会奈良病院の松井智裕先生に,意外と見逃しがちな踵骨疲労骨折に関してはJCHO久留米総合病院の野口幸志先生にお願いした.早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の永元英明先生にはメジャーな三角骨障害以外のあまり知られていない後方インピンジメント症候群についておまとめいただいた.腓骨筋腱に関連した疼痛に関してはその道の第一人者である三重大学の西村明展先生にご執筆いただき,脛骨神経の枝である外側足底神経第1枝の別名であるバクスター神経の障害に関しては聖路加国際病院の天羽健太郎先生に解説していただいた.近年その病態が明らかになりつつあるHeel fat pad syndromeについては早稲田大学スポーツ科学学術院の前道俊宏先生に,Accessory anterolateral talar facet impingement syndromeについては流杉病院の秋山 唯先生にご紹介いただいた.小児の踵部痛の代表である2疾患,距踵間癒合症については岡田整形外科の岡田洋和先生に,シーバー病に関しては獨協医科大学埼玉医療センターの垣花昌隆先生に詳述していただいた.

足底腱膜症の診断と治療

著者: 田中博史

ページ範囲:P.233 - P.238

足底腱膜症は踵部に疼痛を生じる疾患で最も頻度が高く,中高年やランナーに多い疾患である.発症要因は踵部に生じる力学的ストレスによる退行変性病変とされており,発症には多くのリスク因子が存在する.診療にあたって重要なポイントは,①圧痛点を確認し,鑑別疾患も念頭に入れながら正確に診断すること,②治療の中心は保存療法であり,特にストレッチや足部内在筋の筋力訓練などを自宅でも毎日できるように指導すること,③難治例に対しては体外衝撃波療法や手術療法などを提案すること,などである.

アキレス腱付着部症の診断・評価・治療

著者: 松井智裕

ページ範囲:P.239 - P.244

アキレス腱付着部症はスポーツ活動や加齢性変化がもとになって生じる腱付着部の変性と慢性炎症を主体とした障害である.超音波が画像検査として有用であり,理学療法(遠心性収縮運動など),装具療法(補高やヒールカップがついた足底板),局所注射療法(ヒアルロン酸,Prolotherapy,多血小板血漿など),体外衝撃波治療,手術療法(Speed Bridge法,Dorsal Closing Wedge Osteotomy,Endoscopic Calcaneoplasty,Percutaneous Ultrasound Tenotomyなど)が行われる.

踵骨疲労骨折

著者: 野口幸志 ,   副島崇

ページ範囲:P.245 - P.250

踵骨疲労骨折は,問診と身体所見を詳細に確認すれば十分予想できる.最後は画像検査で診断をつけることになるが,発症初期では第一選択肢である単純X線像では異常所見を認めないことが多いため,早期診断が可能なMRIを行い確定診断することが重要である.多くは,運動制限,活動量の制限で治癒していくが,発症要因の同定は再発予防に直結するため,内的因子や外的因子,身体機能の評価なども行い,それぞれの要因に対応していく必要がある.

足関節後方インピンジメント症候群(三角骨以外)

著者: 永元英明 ,   熊井司

ページ範囲:P.251 - P.256

足関節後方インピンジメント症候群は,足関節の底屈強制や過底屈により足関節後方から踵部にかけて疼痛が生じる症候群である.距腿関節の後方に存在する解剖学的な構造物が脛骨と踵骨に挟まれることで生じる.挟まれる構造物は,主に骨性由来,軟部組織性由来,関節由来の3つある.本稿では,軟部組織性由来の足関節後方インピンジメント症候群について,その特徴と治療方法について症例を供覧しながら詳述する.

腓骨筋腱障害・滑車障害・Os Peroneum

著者: 西村明展 ,   中空繁登 ,   千賀佳幸 ,   藤川祐基 ,   湏藤啓広

ページ範囲:P.257 - P.263

腓骨筋腱は解剖学的に腱の走行を変えるところで,障害を受けやすい.具体的には,①足関節外果後方(上腓骨筋支帯部),②腓骨筋腱滑車部(下腓骨筋腱支帯部),および③cuboid tunnel部である.①では腓骨筋腱脱臼や腱鞘内亜脱臼,短腓骨筋腱縦断裂,上腓骨筋支帯部での腓骨筋腱炎などを引き起こす.②では長短腓骨筋腱の腱鞘を分ける踵骨外側の骨軟骨隆起が腱を刺激して疼痛を来すことがある(腓骨筋腱滑車症候群).③では長腓骨筋腱が底側に大きく方向を変えるため,同部位で長腓骨筋腱損傷を来すことがある.また,同部位にはOs peroneumという種子骨が存在することもしばしばで,同種子骨の骨折や疲労骨折後の分裂種子骨などで痛みを来すこともある.

バクスター神経障害

著者: 天羽健太郎

ページ範囲:P.265 - P.270

バクスター神経障害は外側足底神経の第1枝の下踵骨枝が絞扼されて生じる神経障害である.診断は足根管を軽く叩くと足底にしびれが放散するティネル徴候が陽性であれば疑う.検査ではMRI撮影や超音波検査が有用である.治療は,ストレッチや神経痛薬や抗炎症薬の処方,インソール作製,そしてエコー下トリガーポイント注射などの保存的治療がまず適応となり,保存的治療にて改善がない場合に手術による開放術が適応となる.

踵部脂肪体褥の機能解剖学的特徴とHeel Fat Pad Syndromeの理解

著者: 前道俊宏 ,   松本正知 ,   熊井司

ページ範囲:P.271 - P.276

踵は歩行の際に最初に接地する部位であり,荷重と非荷重の状態が頻回に繰り返される.踵には歩行や走行時の衝撃吸収,衝撃分散の役割を担う脂肪組織,踵部脂肪体褥(HFP)が存在する.同部が関与するheel fat pad syndrome(HFPS)は足底踵部痛の2番目に多い原因である可能性が報告されているものの,診断基準が明確に確立されていないのが現状である.踵部脂肪体褥のような軟部組織を評価するうえで,静的な評価だけではなく,荷重変化のような動的な評価がHFPSの評価手法として重要と考えている.

Accessory Talar Facetインピンジメント

著者: 秋山唯 ,   仁木久照

ページ範囲:P.277 - P.281

踵骨外側部の疼痛には,これまで足根洞症候群と診断され病因が明確に捉えられなかった症例もあった.その中でも,距骨のaccessory anterolateral talar facet(AALTF)によるインピンジメントが近年注目されるようになった.一般的にPCFDやRAなどにおける距踵骨インピンジメントは,関節外で生じ踵外反の重症度に左右される.AALTFを伴う場合は距骨と踵骨はfacet部分で密に接するため,距骨下関節を含む後足部のわずかな変化でも痛みを生じる.踵外反がないもしくはわずかなのに足根洞に疼痛がある場合は,AALTFの関与を念頭において治療にあたる必要がある.

足根骨癒合症(距踵関節癒合症)の診断と治療

著者: 岡田洋和

ページ範囲:P.283 - P.288

足根骨癒合症は足根骨の先天性分化不全が原因とされ,発生率は1〜13%で,50%が両側性である.その中でも距踵関節癒合症の頻度が最も高い.症状は内果後下方に骨性の突出[二重内果(double medial malleolus)]を認め,癒合部に運動時痛や軽微な捻挫を契機とした長引く疼痛を認める.またrigidな扁平足の原因でもあり,距踵関節の可動域制限を認める.診断は単純X線写真では困難な症例も多く,癒合部の診断,評価にはCTが有用である.治療は保存治療に抵抗性の場合,癒合部切除術が有効である.

シーバー病

著者: 垣花昌隆

ページ範囲:P.289 - P.293

小児および若年者の踵痛の最も一般的な原因であるシーバー病は踵骨の骨端症で踵骨の二次骨化核が癒合する前に発症する.運動時にかかる踵への衝撃とアキレス腱の持続的な牽引による微小外傷によって起こる.単純X線踵骨側面像では骨端核の分節化,骨硬化像,骨端線の拡大や不整像などがみられる.治療は保存加療が主であり,運動制限,ヒールの高い足底挿板の使用,腓腹筋のストレッチおよび筋力訓練を中心とした運動療法などを行う.予後は良好で将来障害を残すことはなく,単純X線でみられた不整像なども改善される.

手術手技

脊椎内視鏡下手術における新型超音波手術器の使用経験

著者: 上田康博 ,   三崎智範 ,   松本直幸 ,   荒木麗博 ,   大西翔 ,   加藤聖

ページ範囲:P.295 - P.300

背景:脊椎内視鏡下手術ではハイスピードドリルを用いて骨切除することが多いが,神経周囲の骨切除の際には神経損傷の危険性がある.自験例の紹介:頚椎,腰椎疾患の計26例に対し新型超音波手術器を用いて骨切除を行った.ハイスピードドリルと比較し海綿骨から出血しやすかったが,術中の合併症はなく,特に腰椎椎間孔狭窄の椎体後方骨棘や頚椎椎間孔など,神経周囲の骨切除に有用であった.考察:新型超音波手術器は骨切除の際に抵抗消失の感覚が乏しいなど問題点もあるが,回転しないため周囲の神経や血管を損傷する危険性は少ない.

Lecture

関節軟骨損傷に対する再生治療開発の戦略

著者: 妻木範行

ページ範囲:P.301 - P.306

はじめに

 骨は関節で相対するが,その骨端は関節軟骨で覆われており,双方の関節軟骨が摺動することで滑らかな関節運動が行われている.交通事故や転倒などの外傷で関節軟骨が損傷を受けると,関節運動が障害され,関節可動域の低下・運動時関節痛の原因となる.軟骨は修復能に乏しいことが知られ,軟骨が損傷した状態で関節を使い続けると,損傷部の周辺に軟骨変性が広がり,二次性の変形性関節症(osteoarthritis:OA)へと至ることが少なくない.

 軟骨の構造は,軟骨細胞と軟骨細胞外マトリックス(extracellular matrix:ECM)で構成される組織である(図1).軟骨細胞が軟骨ECMを作る.健常な軟骨を硝子軟骨と呼び,その軟骨ECMはコラーゲン細線維とプロテオグリカンからなる.軟骨コラーゲン細線維は,Ⅱ,Ⅸ,Ⅺ型コラーゲン分子が会合してできている.軟骨ECMは軟骨のメカニカルな機能(荷重に抗し,潤滑な関節運動を担う)を果たすとともに,軟骨細胞に適切な環境を与えて軟骨細胞の性質を維持する役割を果たす.すなわち,軟骨細胞と軟骨ECMは互いに依存している.軟骨が損傷を受けると損傷部は軟骨細胞とともに軟骨ECMを喪失する.損傷部に軟骨細胞様の細胞が遊走あるいは供給されても,適切な環境がない状態で細胞は軟骨の性質を維持できない.そのため細胞は軟骨ECMを作れず,損傷部は修復されない.ある程度の大きさの損傷部を正常軟骨で修復するためには,細胞だけでなく同時に軟骨ECMも損傷部へ供給する,すなわち軟骨ECMに軟骨細胞が囲まれた軟骨組織の状態で供給する必要がある.

最新基礎科学/知っておきたい

骨髄間葉系幹細胞を用いた脊髄損傷治療の基礎と臨床

著者: 廣田亮介 ,   佐々木祐典 ,   本望修 ,   山下敏彦

ページ範囲:P.308 - P.311

はじめに

 脊髄損傷は四肢麻痺,膀胱直腸障害,呼吸障害,自律神経障害,脊髄障害性疼痛など多彩な症状が出現し,重篤で永続的な脊椎外傷疾患である.本邦では,脊髄損傷患者の年間新規発生数は5,000〜6,000人であり,総数は20万人と,多くの患者が後遺症に苦しんでいる.これまでは受傷時年齢は20歳前後と60歳前後に二極化したピーク分布であったが,近年では高齢者の平地転倒による受傷が増加している1,2).健常者が予期せぬ事故により受傷後から生涯を通して重度の障害を抱え,重いハンディキャップを背負うこととなり,その社会的損失は甚大である.

 われわれは1990年代より脊髄損傷,脳梗塞,多発性硬化症,認知症など,多くの中枢神経疾患に対してさまざまな細胞を用いた再生医療の基礎研究を行ってきた.その中で,骨髄中に含まれる間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell:MSC)の経静脈的投与による良好な治療効果を多数報告してきた.特に,実験的脊髄損傷に関しては,ラットの急性期〜亜急性期の重度脊髄損傷(圧挫)モデルに対して,MSCの経静脈的投与を行い,有意な運動機能の回復を認めた.さらに,慢性期脊髄損傷(圧挫)モデルに対するMSC移植についても,運動機能が改善することを確認している3-8)

 これらの研究結果に基づき,2014-2017年に,亜急性期脊髄損傷患者に対する自家MSCの静脈内投与の医師主導治験を行い,2018年12月に厚生労働省から「脊髄損傷の治療に用いる自己骨髄間葉系幹細胞」(治験薬識別コード:STR01)について,「条件及び期限付承認」を取得した(製品名:ステミラック®注,ニプロ).薬事承認され薬価が定められており,高額療養費制度を含む公的医療保険が適用されたため,患者負担は最小限に抑えられる.2019年5月より脊髄損傷患者の受け入れを開始し,2019年7月から再生医療等製品「ステミラック®注」を実臨床で使用開始している.本稿ではわれわれの基礎および臨床研究について述べ,さらに「ステミラック®注」が持つ再生医療等製品としての特徴について解説する.

臨床経験

男子高校競泳選手における肩痛と肩筋持久力の関係性

著者: 高山弘幹 ,   片浦聡司 ,   風神真也 ,   高根良輔 ,   沖本遼 ,   北川裕樹 ,   下村龍二 ,   河野恭佑 ,   三富陽輔 ,   中村雅俊 ,   中川滋人

ページ範囲:P.313 - P.319

背景:競泳選手の肩痛の原因に肩筋持久力低下があるが,どの筋肉かは不明なため調査を行った.方法:対象は肩痛経験がある男子高校生競泳選手12名12肩(P群),肩痛のない選手10名(N群)とした.腹臥位で1kg重錘を把持し肩外旋・上肢挙上の反復回数を計測した.結果:反復回数中央値(4分位範囲)は,肩関節外旋でP群4回(3.8〜5),N群7.5回(5〜11),上肢挙上でP群4回(2.8〜6),N群6.5回(4.3〜8.8)となり,P群が有意に低値であった.まとめ:競泳選手の肩痛は肩外旋・上肢挙上の筋持久力が関連することを示唆した.

書評

—臨床・研究で活用できる!—QOL評価マニュアル フリーアクセス

著者: 齋藤信也

ページ範囲:P.321 - P.321

 医療関係者でQOLという言葉を知らない人は皆無ではないかと思う.私は外科医であるが,外科ではこれまで根治性を重視し,QOLを軽視しがちであった歴史がある.そこに乳房温存や,機能温存手術が導入される中で,それがもたらすQOLの改善を測ってみたいという素朴な気持ちが生じてくる.ところがいざQOLの測定となると,使用可能な日本語版尺度がなかったり,あったとしても,不自然な日本語で,それをわかりやすく変更しようとすると「そんなことをしてはいけない!」と言われたり,さらには「勝手に使うと著作権者から訴えられるよ」などと脅かされると,少し気がなえてくる.加えて,信頼性とか妥当性とか,測定特性とか計量心理学の用語が頻出すると「うーん」となってしまいがちである.

 そこに現れた待望の一冊が本書『臨床・研究で活用できる! QOL評価マニュアル』である.編者の能登真一先生は,理論と実践の両面にわたり,斯界をけん引してきたリーダーでもあるが,同書を「臨床・研究で『活用』できる『マニュアル』」と明確に性格付けている.背景となる理論は過不足なくコンパクトにまとめられている上に,「尺度別」に具体的な記載がなされている点がユニークである.「マニュアル」としてその尺度の特徴・開発経緯・日本語版の開発・版権の使用に当たっての注意点・質問票そのもの・スコアの算出方法と解釈・測定特性・エビデンスが,一覧できる利便性の大きさは類書にはないものである.しかもわが国でその尺度を開発(翻訳)した当事者がその項目を執筆しているということで,版権のことも具体的でわかりやすく記載されている.これ一冊あれば,QOL測定のハードルはとても低くなる.

死亡直前と看取りのエビデンス 第2版 フリーアクセス

著者: 田上恵太

ページ範囲:P.323 - P.323

 2023年8月より,仙台市から北に約100km離れた地方都市にある,やまと在宅診療所登米で院長としての任務が始まりました.同僚の若手医師だけでなく,診療所の看護師や診療アシスタント,在宅訪問管理栄養士,そして同地域の緩和ケアや終末期ケアにかかわる医療・福祉従事者の仲間たちと共に,この土地で「最期までよく生きるを支える」ためにどのような学びが相互に必要かを考えるようになりました.困難に感じることを聞いてみると,亡くなりゆく方々をどのように看ていけばよいかが不安(時には怖いとの声も)との声が多く,まずは診療所内で『死亡直前と看取りのエビデンス 第2版』の共有を始めてみました.実臨床での肌実感をエビデンスで裏付けしている,まさにEBM(Evidence-Based Medicine)に沿った内容でもあり,医師や看護師など医療者たちにも強くお薦めできる内容であると感じています.

 病院看取りが主流になっていた昨今の社会情勢の影響か,これまでに死亡前の兆候を目にしたご家族やスタッフは少なく,不安や恐怖を感じることが多いです.しかし,本書でまず初めに述べられているように,多くの兆候はあらかじめ想定することが可能で,ご家族やスタッフとも事前に共有することができます.そして本書には,このような兆候がなぜ生じるのかをEBMに沿って解説されているだけでなく,緊張が高まる臨死期のコミュニケーションの工夫まで触れられており,医療者だけでなく,その他の関係者にとっても心強いリソースとなります.

INFORMATION

第14回セメントTHAセミナー フリーアクセス

ページ範囲:P.319 - P.319

--------------------

目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.228 - P.229

欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.230 - P.230

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.325 - P.325

あとがき フリーアクセス

著者: 松本守雄

ページ範囲:P.328 - P.328

 今年,令和6年は非常に心の痛む幕開けになりました.元旦には能登半島地震が発生し,多くのかたがたが被災されました.発災から約1カ月の本稿執筆時点でも被災地のライフラインの復旧は十分ではなく,医療事情も大変厳しい状況と伺っています.そのような中で受傷者の治療や避難者の健康を守るために現地の医療スタッフのかたがたや他都道府県からのDMAT隊などによる医療活動が続けられており,その献身的なご尽力には敬服するのみです.被災者の皆さまにお見舞いを申し上げるとともに,1日も早い被災地の復旧・復興を願っております.

 また,翌日には羽田空港での航空機事故が発生しました.航空機の安全確保体制はわれわれ医療者が医療安全管理(safety management)を推進する際の参考にされることも多いのですが,どのように体制整備を進めても,極めて低い確率ではあるものの事故が発生し得ることを改めて認識しました.ただ,幸いにも旅客機の乗員・乗客がすべて無事に脱出できたことは,日頃の訓練に基づいた乗員の適切な判断とそれに従った乗客の冷静な行動の成果であり,これも医療における危機管理(crisis management)に相通じるところがあると感じた次第です.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら