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プロメテウス解剖学エッセンシャルテキスト 第2版 フリーアクセス
著者: 川嶌眞人12
所属機関: 1川嶌整形外科病院 2日本医史学会
ページ範囲:P.835 - P.835
あらためて,世界の解剖史を振り返ってみよう.元来解剖というものは,人体という未知のものへの好奇心,真理追求の熱情を持って,実証主義と科学への挑戦を行うことで医学・医療の発展に貢献してきた.しかしながら,古代ローマのガレノス,古代ギリシャのヒポクラテスも,解剖の重要性に気付いてはいたものの人体の解剖まではできなかった.13世紀初頭のイタリアでモンディーノが人体解剖を行い『解剖学』という著書を残したこと,またルネサンス期にレオナルド・ダ・ヴィンチが30体もの人体解剖を行い,779枚もの解剖図を残したことは極めて画期的なことであったが,正確な解剖書としてはアンドリアス・ヴェサリウスの解剖学書『ファブリカ』(1543年)を待つこととなった.評者はファブリカの実物を見た際に,その精密さが今日の人体解剖の水準と大きな差が無いことに驚いた.日本では山脇東洋が1754年に京都で初めて人体解剖を行い,1774年に『解体新書』が出版された.中津では,村上玄水や田原淳などが現在の心電図やペースメーカーの元となる刺激伝導系の発見に至ったことはよく知られている.
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