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腱障害に対する新しい治療Percutaneous Ultrasonic Tenotomy(TENEX)
著者: 面谷透1
所属機関: 1東京先進整形外科
ページ範囲:P.1142 - P.1145
文献購入ページに移動腱障害は外来で診療する機会が多い疾患のひとつであるが,治療方針に苦慮することは少なくない.特に,経過が長かったり,トリアムシノロン注射が一時的には奏効するもののその後症状が悪化したりする症例に対しては,治療手段が限られ得る.
Percutaneous ultrasonic tenotomyとは,白内障手術で使用される超音波乳化吸引術の原理をもとに開発された機器を用いて,超音波ガイド下で腱の処置を行う治療法である1,2).Percutaneous ultrasonic tenotomy専用の機器であるTENEX®(TENEX HEALTH INC.)のハンドピースの先端の径は16G針とおおむね同等であり,2つの主要部品からなる.内側の金属部分は,超音波エネルギーを装置先端の半円状の焦点ゾーン(1mm以下)に照射しながら急速に前後に振動し,変性した腱組織を乳化する.外側の金属部分は筒状になっており,乳化された組織を吸引する3)(図1).
今回,トリアムシノロン注射歴を有する難治性の上腕骨外側上顆炎に対してpercutaneous ultrasonic tenotomyを施行し,良好な成績が得られた症例について報告する.
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