文献詳細
文献概要
視座
生命の尊厳とは
著者: 天児民和12
所属機関: 1九州大学 2九州労災病院
ページ範囲:P.7 - P.7
文献購入ページに移動現在方々の病院に脳外傷でいわゆる植物人間になつた患者が何人かいるはずである.そういう人達の生命は,どう考えたらよいだろうか.日本では死後の生活ということを考えている.これは仏教の影響であろうと思われるが非常にウェットな考えかたをする.臓器移植の場合に死体からこれを採取して保存するとしてもわが国ではなかなか容易にその立法化ができない.現在われわれは脳性麻痺に悩まされている.その治療法を開拓する必要があるし,一方Parkinson病に対するL-DOPAの効果をみるにつけても脳性麻痺の治療に絶望を感じるのはまだ早すぎると思うが,このような患者の予防についても考えなければならないし,極端な早生児,未熟児の問題についてもただ生かせばそれでよいと思うような簡単な考えでいる医師があるとするならば大いに疑問を感ずる.
掲載誌情報