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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科6巻1号

1971年01月発行

文献概要

臨床病理講座

四肢軟部組織腫瘍の病理(1)—線維肉腫,線維性黄色腫

著者: 佐野量造1

所属機関: 1国立がんセンター病理部

ページ範囲:P.23 - P.30

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はじめに
 軟部組織腫瘍とはいかなる腫瘍であるかというと,病理学的には骨およびリンパ組織を除いた体軟部の間葉組織(mesenchymal tissue)から発生した腫瘍を総称している.
 この方面の外科病理学的研究は欧米では盛んであるが,本邦では臨床家のこの腫瘍に対する関心は比較的うすく,症例報告として扱われている程度で予後,治療を含めての系統的研究ははなはだ少ない.その原因の1つとして,たとえば横紋筋肉腫があるとする.それが下肢に生ずると整形外科,後腹膜に発生すると外科,び咽腔に出ると耳び科というように臨床の各科にまたがるためにこれを専門に取組むということが困難であることも原因しているであろう.しかし,軟部組織腫瘍全体としては四肢や軀幹に多く発生するので整形外科にはもつとも関係の深い腫瘍であり,とくに骨周辺の軟部組織腫瘍が二次的に骨に浸潤した場合,骨に原発した腫瘍との組織学的鑑別が是非必要となる.また,骨にも,体軟部に発生する肉腫,たとえば線維肉腫,血管肉腫,脂肪肉腫などが原発するのでこの方面の知識は今後益々,整形外科医に要求されるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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