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低蛋白血症
著者: 野崎幸久1
所属機関: 1日本女子大学家政学部食物学科栄養生理研究室
ページ範囲:P.871 - P.879
文献購入ページに移動低蛋白血症とは血漿蛋白質濃度が正常値以下に低下した病態を呼んでいる.血漿蛋白質濃度の異常は,体内の蛋白質代謝に何かの障害があることを示すもので,蛋白代謝異常のもっとも端的な指標の一つといえよう.
血漿蛋白質は各種の蛋白成分からなっていて,一般にはアルブミン,グロブリン,フィブリノーゲンの分画に分けられる.この中でアルブミンが血漿蛋白質の約半量をしめているので,従来から低蛋白血症は低アルブミン血症とほぼ同義語として用いられてきた.たとえグロブリンの増加があつても,同時にアルブミンの低下があれば,これにおおわれて低蛋白血症としてあらわれることが多い.また血漿フィブリノーゲンは,正常の場合には血漿総蛋白量の6.5%で1),蛋白不足だけの障害では著しい変化がない.したがつてその測定は特殊の場合(妊娠時のフィブリン欠乏,先天性フィブリノーゲン欠乏症)のほかは臨床的意義がほとんどないという人もある2).
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