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論述
末梢神経同種移植の現況
著者: 諸富武文1 平沢泰介1
所属機関: 1京都府立医科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.119 - P.130
文献購入ページに移動神経損傷とそれによる四肢の麻痺については古くより大きな関心が寄せられており,四肢の機能回復のためには薬物療法,理学的療法,リハビリテーションなど種々な非観血療法とともに,末梢神経縫合法および神経移植法の実験とその臨床経験などに関して過去に幾多の業績が発表されている.本稿では非観血的療法はしばらく置き,観血的療法についてその現況を述べることとする.
さて,損傷を受けた神経がその断端を寄せ合わせることができる場合には,以前から種々の縫合法が開発されているが,諸富ら(1967)36,38,39)によつて開発されたシリコンチューブを用いての神経縫合法および最近研究の進んでいるmicrosurgeryによるfunicular suture法(伊藤ら)22)などによつてほぼ満足な結果をうることが可能となつた.しかしながら,その欠損が大きい場合には断端近接法として,関節屈曲法,神経遊離可動化法,神経移行術,骨短縮法などが用いられ,さらに近接法が困難な場合には種々の神経移植法が試みられてきた.
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