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文献概要
はじめに
脊椎疾患の手術にあたつて前方からのapproachの機会が増えているが,後腹膜腔や後縦隔における脈管系の存在が,手術野の展開や操作の継続のさまたげとなることが多く,ときに大出血を招くことがあろう.したがつてその解剖を熟知せねばならない.と同時に血管造影法の普遍化とあいまつて,脈管系は脊椎外科の単なる障害物としての立場を越えて,むしろ疾患に重要な役割を演ずる存在として把握されはじめている.しかしながら,同じく脈管系の一翼であるリンパ系に対する関心は,少なくとも脊椎外科領域においてはかなり低いといわねばならない.しかし,悪性腫瘍,カリエス,骨折などではとりわけリンパ系の示す動態を把握せねばならぬであろうし,同時に手術侵襲のうえでも等閑視してはならぬ存在であると思われる.その意味からここにretroperitoneal direct lymphographyを用いて,リンパ系の解剖および脊椎疾患に附随した変化に関する若干の知見を報告する.
脊椎疾患の手術にあたつて前方からのapproachの機会が増えているが,後腹膜腔や後縦隔における脈管系の存在が,手術野の展開や操作の継続のさまたげとなることが多く,ときに大出血を招くことがあろう.したがつてその解剖を熟知せねばならない.と同時に血管造影法の普遍化とあいまつて,脈管系は脊椎外科の単なる障害物としての立場を越えて,むしろ疾患に重要な役割を演ずる存在として把握されはじめている.しかしながら,同じく脈管系の一翼であるリンパ系に対する関心は,少なくとも脊椎外科領域においてはかなり低いといわねばならない.しかし,悪性腫瘍,カリエス,骨折などではとりわけリンパ系の示す動態を把握せねばならぬであろうし,同時に手術侵襲のうえでも等閑視してはならぬ存在であると思われる.その意味からここにretroperitoneal direct lymphographyを用いて,リンパ系の解剖および脊椎疾患に附随した変化に関する若干の知見を報告する.
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