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DMP(進行性筋ジストロフィー)保因者の状態
著者: 杉田秀夫1
所属機関: 1東京大学医学部脳研・神経内科
ページ範囲:P.425 - P.431
文献購入ページに移動進行性筋ジストロフィー症(DMP)は19世紀なかばに初めて記載された遺伝学的にも臨床的にもheterogenousな疾患である.1959年Chung, Mortonは約800例の本症患者の遺伝様式,臨床症状の詳細な分析を行ない遺伝学的立場からの分類が確立されたわけである.また最近World Federation of Neurology(W. F. N.)により詳しい分類が発表されている.
本症の遺伝学的研究は単に学問的興味だけでなく本症患者の予後,患者家族内における新しい発病者の予測,さらに最近では酵素化学的テクニックを応用することにより本症の保因者の発見と同時に優生学的な問題へと発展してきている,著者は本問題に関する総説をすでに別誌で発表しているが1〜3),本稿では進行性筋ジストロフィー症,特にDuchenne型の保因者に関する最近の進歩の概要について述べることにする.
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