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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科6巻7号

1971年07月発行

文献概要

論述

変形性膝関節症に対する高位脛骨骨切り術の問題点

著者: 腰野富久1

所属機関: 1横浜市立大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.597 - P.606

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はじめに
 変形性膝関節症の治療に関しては,ステロイドの関節内注入や消炎剤の投与など主として保存的療法が広く行なわれており,比較的軽度のものにはこれら保存的療法がかなりの効果を示しているようである14).しかしながら最近では,JacksonおよびWaugh9)(1961)を嚆矢とし,高齢者の変形性膝関節症の外科的治療として,膝の内反および外反を骨切り術により矯正する方法が行なわれてきている.なかでもHigh Tibial Osteotomyの種々なる方法が紹介され2〜8,10,13,15,16),諸家の成績もかなりよく,将来ますます広く行なわれるように思われる.
 変形矯正のための骨切り部位として,脛骨近位部,とりわけ,脛骨粗面直上の部位が選ばれる理由は,膝蓋靱帯の附着部より近位で骨切り術を行なえば,大腿四頭筋の牽引力が作用し,骨切り部が安定すること,同時に内側側副靱帯など強大な靱帯により囲まれているため,骨片が転位し難いこと,また,metaphysisはその豊富な海綿骨により,diaphysisより骨癒合が速かであることなどがあげられる2).また,骨切り術を大腿骨で行なつても変形は矯正されるが,術式の難しいこと,固定の長いこと,術後の拘縮など脛骨より不利な点が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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