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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科6巻9号

1971年09月発行

文献概要

論述

不適切な治療による難治性先天股脱の検討—とくに乳児期の治療について

著者: 山田勝久1 小川英一1 今村清彦2 吉田元久2 内田雅夫2

所属機関: 1横浜南共済病院整形外科 2横浜市立大学整形外科

ページ範囲:P.771 - P.783

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はじめに
 先天股脱の治療成績は,早期に発見され,早期に治療されるようになつてから著しく向上した.特に最近では新生児に対してのvon Rosen法,乳児に対してのリーメン・ビューゲル法が普及してきたため,先天股脱の治療体系が確立されたかの観すら感じられるようになつてきた,しかし,それでも治療成績不良例はあとを絶たず,Hilgenreiner Bösch,今田,著者らのごとく早期に治療されたために惹きおこされた種々な障害も報告されている.これらの報告の多くは乳児の解剖学的弱点や自然改善力を無視した不適切な治療に障害の因を求めている.一般に成績不良例は先天因子のみ強調されがちであり,不適切な治療が原因であることに気づかないことが多い.たしかにTeratologische Luxationを頂点とする先天性難治因子の多い難治な脱臼は存在するが,そのようなものは比較的稀であり,多くの先天股脱は症例ごとに適切かつ繊細な治療を行なえば少なくとも重篤な障害は避けられると思われる.一般に難治性先天股脱と称するものを十分検討してみると,先天因子よりも人為的因子にその原因が求められるものがはなはだ多いことに驚くとともに反省させられた.この人為的ともいえる因子としては,多少重複するが次のようなものがあげられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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