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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科7巻1号

1972年01月発行

文献概要

論述

足蹠と重心位置—とくに小児を中心に

著者: 月村泰治12 川村碩彬2 平沢弥一郎3

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室 2浜松療護園 3静岡大学教養部

ページ範囲:P.23 - P.34

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 ひとが地球の重力の場で起立し,歩行し,その安定性を保持する場合,その保持にあずかる因子は,筋の自己受容調節,視覚からのfeed-back調節,および平衡調節などのいくつかの因子が考えられている.これらの諸調節は極めて巧妙に行なわれているために,正常人の場合,その制禦機構を意識しないし,起立,歩行などは極めて簡単な運動としか感じていない.しかし,各調節のどこかに破綻があつても,異常な状態を示し,不安定起立,起立不能,跛行,歩行不能などの状態を呈するようになる.また逆に表現型としての症状,状態より調節の異常を知ることは理論的には可能であり,ある程度の解明はなされているものもある.しかし客観的,定量的に把握することは,いままでに充分行なわれてはいないようである.
 剛体の場合,物体の安定は重心位置の安定化を計ることにより得られるが,ひとの場合もひとを一つの質点系とみなすとき,これの重心の測定が可能であれば,その安定性を定量化することも,ある程度可能であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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