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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科7巻1号

1972年01月発行

文献概要

論述

学童期先天性股関節脱臼治療の問題点

著者: 坂部泰彦1 藤井英夫1

所属機関: 1兵庫県立のじぎく園

ページ範囲:P.35 - P.44

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 乳幼児先天股脱に関しては早期治療法が確立され,その優れた成績は多数報告されている.一方成人の股関節症に対しても古くより種々の治療法が考察され,最近ではtotal hip prostesisで代表されるごとく,優れた素材の開発とともに今後の発達が期待されるところである.
 この間にあつて年長児の先天股脱はいわば治療上の谷間ともいうべき現状で幾多の難しい問題がある.すなわち年長児先天股脱は乳幼児期のごとく,臼蓋にせよ骨頭にせよ自然矯正の期待が薄く,またこれが二次性OAに直結した年代であるという前提条件がある.そのため一方では"先天股脱"としての治療が期待されると同時に単に"脱臼"という問題では治療し難い要素を含み,画一的な治療法が確立されない原因がある.かつ患者の将来を考える時,治療に多少の時間を要しても愁訴のない確実な治療を要請される年代でもあり,このような幾多の制約を受け問題を複雑ならしめている.乳幼児,学童,成人に大別して先天股脱の特性を簡単に分析してみると第1表のごとく表現されるのではなかろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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