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整骨放談
小さくまとまり過ぎるな
著者: 天児民和1
所属機関: 1九州労災病院
ページ範囲:P.68 - P.68
文献購入ページに移動われわれの学会は既に大きな学会になつたが,幸いに会員が非常に仲が良くて,良くまとまつた学会である.それだけにこの学会の中に閉じこもつて外に向かつての発言が少ないのではあるまいか.先日も外科,泌尿器科のご専門の方々と話をしていたら,「整形外科の方には全国的に共通な性格がある.それは自分の専門を非常に大切にする.それは良いことであるが,自分達の専門の中で"こんなことをしている"ということを外部に知つてもらおうとする努力がない」と忠告を受けた.確かにそんな面があるかな,と私も反省をする.そんなことを考えながら今年の癌治療学会に出席した.そこには3日間に多数の演題が集まつておつたが,整形外科の演題はたつた2つであつた.過去数年来,癌治療学会においても四肢腫瘍の演題は多い時には10数題に達しておつたが,急に減つてしまつたのは私にとつても大きなショックである.骨腫瘍はわれわれ専門の領域では,かなりつつ込んだ研究が行なわれ,出るべきものはも早出てしまつた,とも考えられるが,しかし未解決の問題がまだまだ山積している.大学の紛争その他も影響していると思うものの,整形外科学会にはかなりの演題が集まるのに,腫瘍という問題はわれわれだけでなくて同じように各種の腫瘍を研究している人達の前で,所信を述べ,批判を求めるのが,学問の壁につき当つた場合これを突破するのに一番良い方法ではないかと思う.
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