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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科7巻10号

1972年10月発行

文献概要

臨床経験

2ヵ所にわたる腎癌骨転移巣に観血的治療を行なつた1例

著者: 田熊清彦1 三上崇1 小笠原兵衛1 山路兼生2 所忠2 富田真寿生2 船橋建司2 鈴木庸之3

所属機関: 1国立東静病院整形外科 2名古屋市立大学医学部整形外科学教室 3市立静岡病院臨床検査科

ページ範囲:P.861 - P.865

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はじめに
 骨の悪性腫瘍の中で,癌の骨転移はかなり多いものである1).従来ともすれば癌の骨転移をもつて末期的徴候とされ,もはや積極的な治療を行なうに値しないものとしてあきらめられる傾向があつた.しかし近年,放射線治療,薬物療法あるいは内分泌療法の発展とともに,骨転移巣に観血的治療を行なうことによりかなりの効果が期待でき,このような積極的な治療法がBremner & Jelliffe2),赤星3),前山4)らにより提唱されている.
 今回私達は腎癌が上腕骨および大腿骨へ転移した症例に,その2ヵ所にわたる転移巣と原発巣に対し手術を行ない発症後5年,術後2年7ヵ月を経過し,苦痛もなく生存している症例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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