icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科7巻3号

1972年03月発行

文献概要

視座

全人工股関節の発展

著者: 伊藤鉄夫1

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.175 - P.175

文献購入ページに移動
 関節形成術には癒着防止膜が用いられるが,1938年6月,Smith-Petersenは股関節形成術に中間挿入物として最初に金属cup(chrome-cobalt合金-Vitallium)を用いた.この手術は画期的な意義をもつているが,成績はまだ十分満足すべきものではなかつた.これに引き続いて,当然のことではあるが,骨頭を全部金属で置換する方法が考えられた.人工骨頭を本格的に臨床に応用したのはMooreとBohlmanである.最初の1例は1942年に報告され,翌年J. Bone and Joint Surg.,25:688,1943にMetal Hip Joint. A Case Reportとして発表された.この例は大腿骨上端の巨細胞腫で,はじめに腫瘍切際と骨移植を行なったが,再発を来たしたためchrome-cobalt骨頭を使用して成功した.Judet兄弟がacrylic prosthesisの使用を開始したのは,1946年で,ずつと後のことである.Mooreのself-locking Prosthesisは優秀で,大腿骨頸部内側骨折に対して盛んに用いられるようになつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら