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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科7巻3号

1972年03月発行

文献概要

臨床経験

スポーツによる脊髄外傷について

著者: 城所靖郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.243 - P.248

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はじめに
 スポーツ災害は外傷性あるいは障害性疾患にしても,交通災害,産業災害に比較すると一般に軽微なものが多い.慶大整形外科におけるスポーツ災害の対全外来患者比は7〜9%であり,外傷性疾患の骨折,捻挫,打撲等が上位を占める.これらの多くは適切な治療によりスポーツ生活への復帰が可能であるが,特に予後が重篤で生命に危険のある脊髄損傷特に頸髄損傷をみる場合がある.
 頚椎および脊髄の外傷は前者は0.6%,後者は0.1%とその占める比率は非常に低く,スポーツ外傷特有のpatternはないが交通災害,産業災害と同様に予後は重篤で死に直結する場合さえある.頚椎部のみの外傷は脊椎全体の外傷の内約40%で,頸椎外傷中約60%に頸髄損傷の併発をみる.脊髄損傷は交通災害,産業災害の両者によるものが過半数を占め,スポーツ災害によるものは約10%である。発症した疾患への適切な治療は他の外傷性疾患と同様に大切であるが,予防への考慮が充分になされなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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