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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科7巻6号

1972年06月発行

文献概要

論述

胞状軟部肉腫Alveolar soft-part sarcomaの微細構造—とくに細胞内の特殊顆粒について

著者: 竹嶋康弘1 福間久俊2 緒方孝俊2 後藤将3

所属機関: 1九州大学医学部整形外科学教室 2国立がんセンター病院整形外科 3佐世保共済病院整形外科

ページ範囲:P.425 - P.437

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はじめに
 1952年,Christopherson2)らは,四肢,ことに大腿および下腿の筋肉内に好発し,組織形態上,いくつかの大型の多角細胞polyhedral cellsが細い血管腔と線維性結合織索によつてとりかこまれ,全体として偽腺腔構造organoid patternあるいは,胞巣状構造alveolar patternを呈する一群の軟部腫瘍を集録し,これらの組織形態学的特徴,発生部位および,臨床的には他臓器転移をきたす,生物学的性状から,これを胞状軟部肉腫Alveolar Soft-Part Sarcomaと命名した.一方,これらの腫瘍はまた,胞体内にしばしばエオジン好染性の顆粒を多数有することから,古く,悪性顆粒細胞性筋芽細胞腫malignant granular cell tumor(Ravich, Stout and Ravich19),1945., Ackerman and Phelps1),1946)あるいは,悪性傍神経節腫malignant tumors of nonchromaffin paraganglioma(Smetana and Scott23),1951)とも呼ばれ,その発生母地に関して,組織形態あるいは組織化学的な検索がいろいろとなされてきたが,筋原性とするもの,神経原性—ことにparagangliomaの悪性化したものとするもの,あるいは本腫瘍が組織形態上きわめて豊富な血管を有し,その周囲に腫瘍細胞の増殖が上皮様配列を示していることから,血管外膜に位置するpericyteより発生したHaemangiopericytomaとするもの24)など定説がなく,Christophersonの報告より20年を経た現在,なお,その組織起源は明らかにされていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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