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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科7巻6号

1972年06月発行

文献概要

論述

遅発性尺骨神経麻痺と神経造影

著者: 細川昌俊1 石下峻一郎1 小林信男1

所属機関: 1飯田市立病院整形外科

ページ範囲:P.445 - P.457

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 末梢神経造影は決して新しい検査法ではなく,すでに1932年斉藤の臨床報告を見るが,手技の繁雑さの割にその臨床的価値があまり認められず,また,造影剤による副作用が懸念されてか,日常の検査法として広く常用されるまでには至らなかつた.しかし造影剤の改良も進み,1960年代に入り本邦において再び神経造影がとりあげられ,1966年兪は動物実験ならびに臨床応用例を報告しその安全性を確認し,1967年中城は神経造影像を臨床的に分類しその実用性を述べ,神経造影の意義が再評価されるようになつた.
 一方,遅発性尺骨神経麻痺は1878年Panasの報告以来多くの報告があり,その原因疾患として肘関節周辺の骨折による変形を始めとして,変形性関節症,関節遊離体,瘢痕性絞扼,習慣性尺骨神経脱臼,ガングリオン,いわゆるcubital tunnel入口での圧迫などが挙げられている.しかしながら,遅発性尺骨神経麻痺の原因は画一的には論じられず,いろいろな要素が関与していると考えられる症例も少なくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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